明日は君に花を贈ろう 3

甘えても欲しいし ページ16

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私の趣味は意外って言われるけど、ゲームや漫画。


ゲームはパズル系からRPGまで幅広く、漫画も少女漫画から少年漫画まで割と多く読んでいる。

別に人に強要はしないし、1人で過ごす時間が好きだから、宏光が来ても黙々とゲームをしてたり、読んでたりすることが多い。


でも宏光はそれが気に食わないらしく、邪魔してくる事も多々あって。ゲームも漫画も良い所で邪魔されると腹が立つからやめてって喧嘩になったこともある。




でもね、逆も然りでさ。




私と比べることじゃないけど、宏光は家で台本を読んだり何か纏めたり、仕事することが多い。

でもそれは別に良いんだよ。
ただ夜飲もうぜって誘ったくせに、仕事しててさ。飲もうよって声かけても無視。熱中すると周りが遮断されるタイプだから仕方ないんだけどさ。


…うん、仕方ないんだけどさ。





『飲みたいお酒ある？』




無視




『何時ごろ終わりそう？』




無視




『ひろみつ、何か食べたいものある？』


「あー…なんでもいい」




返事があったとしてもこれ。

リビングで仕事する宏光の耳には、殆ど届かない。





『…かえろ、』


私居る意味ないじゃん。



別日にしよってLINEを入れて玄関に行く。





そりゃあ私はゲーム漫画は趣味だから、邪魔しても良いけどさ。その割に自分は………って、はあ。よくないこと考えてる。



落ち込みながら玄関に座って靴を履く。




立ち上ろうとした時、グッと上から抑えつけられた。



『…なに』
「帰んの？」
『…帰る』
「ごめんって、ちょっと意地悪したわ」


後ろからギュッて抱きしめられる。

……そんなんで許さないから。



「Aが先週全然構ってくれなかったから、ちょっと意地悪した」
『そんな事ないよ。漫画読むの止めたじゃん』
「止めるまでに1時間かかりましたけど？」
『…それはアリババがカシムを救うシーンだったから』
「なんのこっちゃ分からないけど」


仕返ししちゃったって耳元で呟く。



「なあ、帰るの？久しぶりに会えたのに？」
『宏光のせいでしょ』
「えー俺のせい？」
『…お互い様だけど、今回は宏光のせい！』
「ふふ、だってAの落ち込む顔が面白くて」


宏光はクスクス笑う。…馬鹿にしてる。

帰る！って無理矢理立ち上がろうとすると、だーめって私を押さえつけたまま、後ろから靴を脱がせてくる。


2足ともポイって投げると、よいしょって私を持ち上げた。



お姫様はこちらでしょ？って。



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