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「前乗らないの?」
『…写真撮られたらバレちゃうから』
「そっか」


窓を開けて手を振ると、また会おうねーって麦ちゃんと豆田くんも振り返してくれた。


宏光も軽く会釈して、車が動き出す。付き合ってから初めて乗った。まさか迎えに来てくれるなんて。


「楽しかった?」
『楽しかった!宏光に沢山話したい事あるんだあ』
「ふはっ、それは何より」


表情は見えないけど、話し始めると宏光は楽しそうに笑ってくれる。


『それでね、豆田くんが今更そんなこと言うから私苛ついちゃってさ。応援してあげない、とか言っちゃったの。それは反省してる』
「Aは友達想いなんだな」
『そうなのかなあ。でもイラついちゃわない?今更何言うの、って』
「Aがそう思う気持ちも分かるけど、豆田くんもきっと何年もその子の事が胸の片隅にあったんだと思うよ」


今更でも再会出来て良かったねって宏光は言った。


『…そうだよね、じゃなきゃ態々話に来ないよね』
「ま、俺は彼がA狙いじゃないだけで嬉しいけど」
『私狙い?そんな人居ないよ?』
「そう?こんなに可愛いのに?」


宏光とミラー越しに目が合う。愛おしそうに私を見つめる目だ。私の好きな目。


『ふふ、可愛い?』
「わ、酒が入ってるから素直だな」
『いつも素直だけど!』
「えーそうだっけ?」
『宏光は素直じゃないよね。同窓会行く前なんて、拗ねまくってたもん』
「仕方ねーだろ。男は彼女が綺麗な格好して同窓会なんて行って欲しくねーの」
『ふーーん、だから迎え来てくれたの?』
「ま、迎え行くことしか出来ねーからな」


また芸能人としての壁を感じているような言い方をした。私も結婚妊娠を目の当たりにして、壁を感じたばかりだから少し寂しく思う。でも仕方のない事だ。


『…迎え嬉しかったよ?』
「そう?」
『宏光の車初めてだから』
「確かに。乗せたことなかったな」
『宏光の運転姿かっこいい!』
「後ろからでも見えんの?」
『見えるよ!かっこいい!』

はいはいってクスクス笑う。

私がお酒入ってるからって、少し馬鹿にしたように笑いやがって。でも気分良いから何も言わないであげる。



「明日A休みでしょ?俺午後から仕事だから、このまま海でも見に行くか」
『え!行きたい!』
「うん、行こうぜ」


まさかの宏光と初めての外出。家で過ごす日々も好きだけど、行けるとなるとテンション上がるわけで。

はしゃぎ過ぎて、いつの間にか寝てしまった。



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それでも乗り越えようとしたね→←・



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ちび - でもいつかね。幸せになって欲しいですわ⚪︎♡ (2023年2月16日 15時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ちび - めっちゃ良かったです、永遠なんて無いだから時間を大切にしようと思うんです、アイドルだって1人の人間ですもんね。何もしてやれないし、なヤキモキしてるミツめっちゃ可愛い買ったです。今はね、もう少しアイドルでいて欲しいな思いますね。。 (2023年2月16日 15時) (レス) @page39 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナシ | 作成日時:2022年1月25日 23時

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