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『北山さん達はもう食べませんか?』
「割と俺らここ長く居るからね。あ、でも、Aさんが食べたいならどんどん注文しな?ここ、焼き鳥美味しいよ?」
「食べろ食べろ〜」
『じゃあお言葉に甘えて』


玉森くんのお金だからいいよね。打ち合わせ潰したんだから、って心の中で毒を吐く。2人とも忙しくてなかなか予定合わないんだから。


ヘロヘロな玉森くんにまた店員さんを呼んでもらい、気持ち多めに注文した。食い意地張ってやる。


「俺も数本貰おうかな」
『だと思って少し多めに頼んじゃいました』
「お、気が効くね」


よーしって言いながらビールを飲む北山さん。喉仏がごくりごくりと動く。うわージャニーズって横顔も綺麗なんだ。


「ん?」
『あ、いえ』
「んー?なんか言うこと隠したな?」
『え?』
「会うの……2回目だけど、俺分かるよ。Aさん、何か言うの辞める時、髪の毛を耳にかける仕草するよね」
『…うそ』


そんな事誰にも言われた事なかった。


「あ、ミツも気付いちゃったー?」
『え、玉森くんも知ってたの?』
「知ってるも何も昔からの癖だよねそれ。高校生の時言わなかったっけ?」
『言われてない!』
「えー?そうだっけ?」


分かりやすすぎるじゃない、髪の毛を耳に掛ける仕草するなんて。……気をつけよ。


「で?何言おうとした?」
『いや別に改まって聞かれるようなことじゃないですけど…』
「言えよー!」


玉森くんが煩い。



『いや…ジャニーズさんって横顔も綺麗なんだなって思っただけで』
「あはは、確かに改まって聞くようなことでも無かったー!恥ずかしいわ俺」
「えーミツより俺の方が綺麗じゃない?」
『いやまあ、もちろん玉森くんも綺麗だと思うよ』
「取ってつけたような言い方!」
『玉森くんが聞いたから言ったんでしょ!』


ガヤガヤする。思ったより居心地が悪くない。


少し経って焼き鳥がきた。俺も食べるー!って玉森くんが騒ぐから、3人で分けっこする。



「そういえばAさんって、ジャニーズとか興味ないの?」
『え?急に』
「いやだってさ、まあ玉が同級生だったとはいえ、ジャニーズを目の前にしても前回何も表情変えなかったでしょ?」


むしろ嫌そうだったよね?って北山さんがモグモグしながら言う。

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作者名:ナナシ | 作成日時:2021年12月16日 17時

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