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「おはようございます、Aさん！」
『おはよう鈴木くん』
「治りましたか？」
『お陰様で。お礼したいんだけど何がいい？』
月曜日の朝。今日も元気な鈴木くんが挨拶をしてくれた。
金土日としっかり休んだ私は完全復活。起きたら宏光は帰ってたけど、お大事にな、という手紙とお粥が残されてた。お礼させて、と連絡したけど、しなくていいわ、と返されてしまった。お粥はとっても美味しかった。
「お礼なんてしてくれるんですか？」
『あ、いらない？じゃあいっか』
「して下さいよ！僕どんだけ頑張ったと思ってるんですか！」
あの量は社会人2年目の僕じゃ辛すぎましたよ！と叫んでる。社会人7年目でもキツいよって笑ってやった。
『何か奢ってあげるよ』
「え？いいんですか？じゃあ飲み行きません？」
『飲み？』
「色々聞きたいことありますし？」
『あ…その事なんだけど』
「誰にも言いませんって」
下手なウィンクを私にして、デスクに座る鈴木くん。…完全に付き合ってるって誤解してるわ。
「早速今日行きましょうよ。珍しく2人とも直帰ですし！」
『…ま、いっか』
「わーい、今日も頑張りましょうね〜」
尻尾をふりふりしてるのが見える。あーあ、宏光とも飲みたいなあ。
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「乾杯〜！」
『お疲れ様』
ガチャンとなるグラス。2人で生ビールをゴクゴク飲む。思ったより仕事が伸びたので、軽めに飲むことになった。
「で、何で彼と付き合ってるんですか！」
『…いやその話なんだけどさ』
付き合ってないのに宏光が勝手に言ったこと、なんであの日居たのか分からないことを伝える。私が想いを寄せてるのは、隠した。
「えー！北…彼の嘘なんですか？」
『…名前伏せてくれてありがとう』
「あはは」
やっぱり誰かバレてるらしいけど、あえて深掘りしてこないから話しやすい。
「でもAさんは好きですよね？」
『ゴホッゴホッ！…え、今なんて？』
「だからAさんは、好きなんでしょ？彼のこと！」
前言撤回。こいつ深掘りしてきた。それに言ってないのに何故バレた！
「なんでバレた！って顔してますね。バレバレですよ、Aさん分かりやすいですもん」
『え？本当？』
「本当です」
美味しそうにビールを飲む鈴木くんは、店員さんにビール2つお願いします！と声をかけた。分かりやすいって言われたの宏光と玉森くん…鈴木くんで3人目だ。
もしかして仕草もバレてる？
「仕草もバレてますよ」
ひっ…エスパー！
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作者名：ナナシ | 作成日時：2021年12月16日 17時
