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結局あの後藤ヶ谷さんに少しだけデザインを見せて、解散になった。藤ヶ谷さんも気に入ってくれたらしい。良かった。
そして帰りの送迎で、宏光と家が近いから、と送って貰った。家の前に着くと、宏光が飲もうと言い始めた。
『良いけど…どこで?』
「Aの家ー」
『は?嫌よ』
「いいから!ほら、外居るとマズイから入ろう」
無理矢理押されて、鍵を奪われた。勝手にマンションに入っていく宏光。
『分かったよ、分かったけどお酒ないから買ってくる。先家入ってて』
「は?」
『は?って何。2人じゃ買いに行けないんだから仕方ないでしょ』
「いやまあそうだけど…じゃあ俺が買ってくる」
『そう?ならお願いね』
あ!303号室だから、と伝える。なんかぎこちなくコンビニに向かった宏光。へーんなの。
部屋に入って少しおつまみを作ってた所で、インターホンが鳴った。ドアを開けると、よ!さっきぶり!と手を挙げる宏光。
「あれ?なんか良い匂いする」
『軽いおつまみ作ってみた』
「…Aって本当にいい女」
『褒めても味は変わらないわよ』
ふふって笑った。
適当に座らせて、おつまみを運ぶ。美味しそうー!って喜ぶから少し嬉しくなる。
「じゃあかんぱーい」
『お疲れ様』
冷えたビールってやっぱり美味しい。
「は〜おつまみも最高、A最高」
『はいはい』
「ん、適当だな」
『適当じゃないよ』
「最近雑だぞ俺の対応が」
『仲良くなった証拠でしょ』
「まあ…それもそうか」
もぐもぐする宏光は美味しそうに食べる。…口に合って良かった。
「いーやでもな、あれは藤ヶ谷に照れすぎだぞ」
『でもなの使い方おかしいよ』
「話逸らすな!」
『仕方ないでしょ。かっこいいんだから』
「ジャニーズとイケメン嫌いなんじゃなかったのかよ!」
『別に嫌いじゃないよ。好きじゃないだけ』
「なぬ、それは大差あるな」
『んふふ、でしょ?』
嫌い、好きじゃない。
この2つは大きな違いがあるのに、気が付かない人は多い。でも宏光は気が付いてる方の人だ。嬉しい。私の前の恋人は、同じだろ?めんどくさ、と言う人だった。
「だとしても、だ!ちょっと好みだからって、顔真っ赤にして」
『藤ヶ谷さんは良い人だから、尚更ね』
「は!悪い奴かもしれないだろ?」
『え?宏光のメンバーには悪い人居ないって分かるよ』
「…なんで」
『だって宏光のメンバーだから』
宏光は目を丸くした。
私はビールをごくっと飲む。はー美味しい。
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作者名:ナナシ | 作成日時:2021年12月16日 17時