みつの夏

雨とみつ ページ7

なんでこんなことになったんだっけ。




久しぶりに彼の家に行ったら、知らない女の人がベッドで寝てて。



5年も付き合ったのにな…。

20代後半からの5年は長いよ…。




いずれ結婚するんだと思ってた。
まさかこんなことになるなんて。





　
あてもなく歩いていたら、パラパラ雨が降ってきて。



でも今は雨に濡れるのもいいかも。



涙も、くすぶった気持ちも、全部水に流してしまいたいよ。




なんて思ってるうちに本降りになってきて、



「きゃっ！」



土砂降りの雨に足を取られて滑ってしまった。



そういえば、久しぶりに彼に会えると思って高いヒール履いてきたんだった。

今となっては、ものすごく滑稽でものすごく惨め。





『おねーさん大丈夫？』




顔をあげると、前髪から覗いたくりくりの目がわたしを見下ろしていた。

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