みつの夏

部下のみつ ページ24

『北山くん、ちょっといい？』


「はい、三上部長！」



部下の北山くんは、仕事ができる。
営業成績も常にトップ。
社内外でも、男女問わず人気も高い。




残業を終えた金曜日。
家に帰ると電気がついていた。



「ただいまー」


『Aさん、おかえり！』


満面の笑みで迎えてくれるのは、北山くんだ。





彼とは、付き合っているわけではなくて。


ただ、飲み会の帰りにそういうことになってしまった…というか。


上司としてどうなの？って話ではあるんだけど、ズルズルと現在に至る。



金曜日にやってきて、一緒に休日を過ごす。
そして月曜日にそのまま出勤していくのがいつものパターン。



『Aさん、ご飯どうする？』


「お腹空いたし、なんか頼む？」


『ねぇ、おれ焼肉食べたい！
出かけよう？』



若い…。

21時を過ぎても焼肉が食べられるんだから。
10個の歳の差って眩しい。


「仕方ないなー」


でも北山くんに言われると、体が動いちゃうんだから不思議。







『Aさん、もっと食べなよ！』


「もうお腹いっぱいだから。
北山くん、たくさん食べて？」



相変わらずいい食べっぷり。


あまりにおいしそうに食べるから、
こっちまで嬉しくなってきちゃう。

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