誘拐されました3【第三体育館組】

九十二話【過去】 ページ6

国見side


きっかけは俺が高1の頃だった。


金田一「今日及川さん元気なかったな」


国見「…くだらないことだろ」


部活帰りのいつもの日常。


金田一「あ、そういや妹いるっていったな」


国見「そうだっけ…。……喧嘩じゃない？」


及川さんの妹…。見たことないな。


金田一「岩泉さんも大変だから、早く元気になってくれるといいけど」


金田一はあきれた顔でそういった。


金田一「あ、俺今日、親戚の家よらないと行けねぇーから。またな」


国見「うん」


そして俺は別れ、家の近くの公園を通り過ぎようとした。


「ぅ“ぁあ…う“ぇ…」


小さい子供の情けない泣き声が聞こえた。


だけど俺は気にせず、家に帰った。


「ぅ“………ぇ…」


誰だよ。泣き声、家の中まできこえんだけど…。


国見「…あの子のところにいこ」


俺は公園で泣いてた、女の子の所へ向かった。


「うぇ“…ぅ……お兄さんだれ…？」


国見「あの…。うるさい」


女の子はビクッと肩を揺らして、ますます大声を上げて泣いた。


女の子を見ると俺はチクリと胸がいたんだ。


何か…無いかな…。


俺は、手元にいつも持ち歩いてるキャラメルを渡した。


「ぇ…？いい…の？」


国見「…何で泣いてるの」


そのあと女の子はゆっくりと話してくれた。


どうやら昨日お兄さんと、お菓子の取り合いをして喧嘩をしたらしい。


すると女の子は明るくなって喋り始めた。


「お兄ちゃんね…。いい人なんだ！かっこよくて…バレーのリーダーやってるんだよっ！」


国見「へぇ…。え？」


そうか。この子、及川さんの妹なのか。

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