34話＜過去編5＞ ページ36
中也side
コツ...コツ......
地下牢に俺の足音が反響する
あの女が捕らわれている牢の前に来ると、2人の見張りに席を外すように指示する
ドアを開けると＿＿＿＿＿＿＿
いた
先刻まで手錠の鎖が引きちぎれる勢いで大暴れしていた彼女は、手錠を外され、足枷のみの状態で横たわっていた
手錠を外したのはどうやら太宰のようだ
横たわる彼女の身体に彼奴の外套が敷かれている
＿＿＿＿あの野郎、来てたのか...
手首に残る、赤くなってしまった手錠の跡が痛々しい
そのまま彼女に近づくと顔を覗き込んだ
「...。」
暴れ、泣き疲れて眠っているようで涙の跡がまだ残っている
よく見たら整った顔立ち
「...？」
寝顔を眺めていたら彼女の身体がかすかに震えていることに気づく
「......さすがに寒ィか...。」
いくら建物内とはいえ、地下牢は冷える
突然押し寄せた俺らに捕らわれてしまったためか、女は薄着だ
しかたなく自分の外套をかけてやった
此奴の髪、綺麗だな...
？「中也。」
「うぉっ！？」
その綺麗な紺色の髪に指を通していたら後ろからいきなり声をかけられた
相変わらず気配を消すのが上手い奴だ
後ろにはニヤニヤしながら此方を見る太宰
ではなく
真剣な顔をした太宰だった
太宰「首領がお呼びだ。」
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿＿
廊下
太宰／中也「...。」
首領の部屋へ向かう太宰の後に続く俺
いつもは横に並び、からかってくる太宰だが、今はそんな気配はない
＿＿＿＿＿＿始末、か
そんな言葉が浮かぶ
あの日、汚濁から目覚めると太宰の腕の中にいたのはあの女
任務を任されたとき、首領から皆殺しにしてくるよう仰せつかってきた
なんで敵組織の女なんか連れて帰ったんだよ俺...
そんなことを考えているうちに首領の部屋の前
コンコン
太宰「首領、太宰と中原です。」
部屋の中から了承の声が聞こえると「失礼します。」と2人で部屋の中に入る
太宰「それで、彼女の件ですが、いかがいたしましょう...？」
どうせ始末だろう
仕事柄そう割り切っているつもりだったが、彼女を殺したくない、そんな気持ちもあった
首領「うーん......。太宰くん、あの子は確か14歳だったよねぇ...？」
太宰「ええ。報告書によれば。」
首領はまたしばらく考えるとポンと手を叩いた
首領「よし、私の養娘にしよう！！」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿まさかの首領、爆弾発言
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麗優(プロフ) - とても素敵な作品でした。どのページを読んでも胸が締め付けられるぐらい切なかったし、いろんな場面で泣きそうになりました笑 (2018年3月28日 10時) (
レス) id: b47abc622c (このIDを非表示/違反報告)
手紙飛行記 - 後半、泣いてまう (2018年3月22日 22時) (レス) id: 353ff5e2c5 (このIDを非表示/違反報告)
セシルさん - 最高です！！全部一気に読んじゃいました！毎日の楽しみです。何回も読み直してますwww.もう中毒ですねw (2018年3月15日 22時) (レス) id: 1af9cd9cb4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずれもん(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！！イベントというものに参加してみたいなと思いまして...楽しんで頂いて何よりです！！続編もありますので是非お立ち寄りくださいませ＾＾ (2018年1月29日 15時) (レス) id: 692a8e0181 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！ すごい面白いです これからも頑張って下さい！ (2018年1月29日 2時) (レス) id: 59dc504c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずれもん | 作成日時：2018年1月8日 18時
