ただ、ただ、愛おしくて… (ページ8)

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- イベント当日 -

有美と駅で待ち合わせをして
トークショーの会場まで向かう

「A！ちゃんとハガキ持ってきた？」

『私を舐めるでない！これを見よ！』

チケットホルダーにハガキを入れ
それを首からさげてるのを有美に見せつける

「あ…うん、聞いた私が馬鹿だった」

『冷たいな、おい。』

目的地につき電車を降りる

人が多くてすれ違う度に肩がぶつかる
何度来ても都会は慣れない…

〇〇〝人がゴミのようだ…！！！〟

と、脳内再生されるのを振り払いながら
慣れている様子でスタスタと歩いていく有美を追いかける

『ちょ、有美待って…！』

ﾄﾞﾝｯ

誰かにぶつかった拍子でバッグが地面に落ちる

？？「君、大丈夫？」

そう言いながら男性はバッグを拾い上げてAに渡す

Aはこんな都会でも優しい人はいるものだ…
と感慨深くなりながら男性を見ると

帽子を深くかぶりマスクをしていたので

なぜか、身の危険を感じ怖くなり

『あ、ありがとうございました！！』

と、一言だけ残し有美のところまで駆けていった。

男性も素早すぎる彼女の行動に呆気に取られていた

ふとバッグを拾い上げた場所でクマのストラップが落ちているのを見つける

？？「これ……」

振り返って彼女を探すが見当たらない

仕事の時間もあるため
そのストラップを大事に握りしめ

駅を出た