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『ふはー!!呑んだ呑んだ〜おなかいっぱあ〜い…ヒック』


「ちょっとA!転ばないでよ〜?」


『もうすぐ家だしへーきへーき〜有美とお泊まり久々だしまだ落ちれないよ〜』


「確かにかなり久々かもね〜。んじゃ、Aんちで飲み直すぞ〜!」


『ひええ、相変わらず酒豪な上に酔わないとか…こわ…』


「たまには酔いたいけどね〜(笑)」


『まあ確かに…』



そんな他愛もない話をしながら家に着く



「おじゃましま〜す



……ってなんか前より色々グッズ増えてない!?」


『だってマイヘブンだもん。そこ適当に座って〜』


「ドヤられてもなあ…とりあえず


はい、買ってきたお酒と大将にサービスしてもらったやつで


『かんぱ〜い!』」




お昼から呑み始めて時計の針はあっという間に0時を差すところだ。
12時間も…と考えると自分も有美も恐ろしいと思うのだった。







「ねえ…A。」

『はいはーい?』

「…その…順兄のこと、まだ忘れられない?」

『なっ…いきなり、なんで?』

「あのころの写真、そこにずっと大事に飾ったままじゃん。」




小さい時に有美と私と…
私の初恋だった順兄と撮った写真だ


思わずその写真を眺めていると
お酒のせいか当時の思い出が
込み上げてきて目頭が熱くなる



『…っ』

「あ、いや、ごめんね?

ずっと触れるべきではないっては思ってたけど
もうあれから10年経つじゃない?
最初はただの思い込みかと思ったけど…
あれ以来Aからそういう恋愛とかの
話を聞かなくなったし…

口を開けばアニメや声優さんの話ばかりで。
悪いとは思わない、でも、このままでいいの?
恋したくない?なんだか、
3人でいた頃のAの笑顔が私は忘れられなくて
今でもまだ…頭の片隅に忘れられずに
残ってるんじゃないかって…
無理してるんじゃないかっ…て…。」





その言葉を聞きながら涙が止まらなかった。


長い付き合いだからこそ、
有美はそんな私をわかって
ずっと隣にいてくれたんだ。

それなのに私はずっとそのことから逃げ続けて。

いつまで経っても私はまだあの頃のままだと…




言葉も発せずに涙を流す私を有美は
何も言わずに背中を撫でてくれた。



泣き疲れたのか、それが心地よくて
そのまま眠りについたのだった。

□six→←□four



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設定タグ:声優 , 諏訪部順一 , 男性声優   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:梓音 | 作成日時:2017年4月30日 13時

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