□twenty ページ21
A今夜空いてたらご飯行こ〜
有美ちょうど誘おうと思ってたとこ〜!
A運命かよ。仕事終わったら連絡する
有美りょーかい♪
仕事終わりに有美と会う約束をした
昨日の件をどうしても話したくて
過去と向き合うためにもきちんと、
いつも真正面からぶつかってくれる有美には
話しておかなきゃいけない
わたしの本当の気持ち……
仕事中ずっと上の空で、何も手につかず
何事もなく定時の時間を迎える
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄…
「A〜お待たせ〜!」
『有美いきなりなのにありがとね』
「悩んでる時はいつでも駆けつけるってば!」
『あれ?悩んでるなんて言った?笑』
「何年一緒にいると思ってるの笑
LINEの文面でもすぐわかったよ」
『頭が上がんないなあ…苦笑』
「…とりあえず何か頼もっか」
注文していたものが揃った頃
『あの…ね、順兄を、見つけちゃった』
「え?会ったの?」
『違うよ、ネット越しに…かな。
昨日色々ぐぐってたら……っ…』
普段は人前で泣かない、泣けないのに
有美の前だと涙腺が緩くなる
我慢出来ずに涙が流れてくる
「もー…よしよし、」
『うう〜…ごめんね…』
「何で謝るのよ〜笑」
昔からそうだ
何かあった時はわたしの口から話すまで
有美は深く入り込んでこない
気づいていても、待っていてくれる
『よし、落ち着いた』
「ふふ(笑)無理しないでいいんだよ?」
『ううん、今日きちんと話しておこうと思って』
「うんうん。ちゃんと聞くから」
ゆっくりと息を吸い、有美に打ち明ける
『昨日から順兄のことで頭がいっぱいで
今まで何度も避けて、自分とも向き合わなくて
でも、確信しちゃったんだ、自分の気持ちに
わたし、順兄のことまだ好き、大好き。
会いたくて、会いたくてどうしようもないの
この気持ちにずっと蓋してきたけど、
もう蓋できないくらいに溢れてきちゃった。
情けないよね、ほんとに…
きっともう叶わない恋なのに…さ
でも、せめて…
会って、またあの頃みたいに笑い合いたい…』
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作者名:梓音 | 作成日時:2017年4月30日 13時