□fifteen ページ16
- 有美 side -
久々の連絡が来た時、会う約束をした
３年ぶり…
どんな顔をすればいいのだろう
緊張しつつ待ち合わせ場所の
小さい時によく遊んだ公園へ向かう
「あ……」
『おーーい！有美〜！』
雰囲気が少し変わった気がするが
顔も声も、Aだ
この３年間生きてるのかすらわからず
不安で不安で仕方がなかった
目の前にずっと会いたかったAがいる
そう思うと私は足がすくみ、涙が止まらなかった
『え、ちょ、有美！泣かないでよ〜…
こっちまで泣いちゃうじゃん……』
震えた声でそう言いながら
私を抱きしめてくれた。
『ただいま…有美…』
「…っ、おかえ…り…A…」
ベンチに腰掛け
あの時の話には触れずに
お互いの近況など、話し続けた。
たくさん聞きたいことはある、でも
戻ってきてくれた、それだけで満たされた
ふと、順兄に渡された紙切れを思い出す
ずっと大切に財布のポケットにしまっていた
渡さなきゃ…と思うがなかなか話を切り出せず
「Aは…好きな人とかいたりするの？」
と、恐る恐る聞いてみると
『それね〜…たくさんいるんだよね…』
「…は？」
『いやぁさ〜、
アニメのキャラクターなんだけどさ！ー…』
いつの間にかアニメが大好きになっていたのか…
ってことはもしかして順兄のことも…知ってる？
私は順兄が引越しの挨拶に来た時に
何の仕事なのかを聞いた
�狎射イ世茘�
それを思い出しAに問いかける
「じゃあ声優さんとかも好きなの？」
『おお…さすが親友！わかってるね〜♡』
「誰が好きなの〜？」
『ずばり、福山潤さん！！』
聞いてみるも疎い私には分からなかった…
そもそも順兄の苗字すら分からない
�狃膂讚瓩箸靴�…
『これこれ〜！この人なの！』
そう言われAの携帯を見る
反応は取りづらいが
明らかに順兄ではないことはわかる
ってことはAは順兄の仕事を知らない…
「それじゃあ、彼氏とかは？」
『んー…興味ないかな〜。
２次元キャラと
じゅんじゅんがいれば生きていける。』
どこか切なそうなAの表情を見ると
紙切れを渡すことは出来なかった…。
そうして私達はメアドを交換し
また今度 と告げ別れたー…
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作者名：梓音 | 作成日時：2017年4月30日 13時
