ただ、ただ、愛おしくて… (ページ11)

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□ten ページ11

有美と別れ自宅に着くと
上着を脱ぎ髪を束ね上げソファに座り一息つく

トークショーでのグッズを
机の上に広げ1人でニヤニヤしながら
写真を撮っていく

『はぁ…じゅんじゅん素敵…』

余韻に浸っていると疲れのせいか眠気が襲ってくる

Aは意識のあるうちにお風呂に入り寝支度を済ます

ベッドに入ると

ぼーーっと駅での出来事が頭に浮かんできた

？？「君、大丈夫？」

ふと、また懐かしい香りがした。

『まさか…ね……』

そう呟くと瞼を閉じた

ー………

「Aが大人になったら結婚してやるよ」

『ほんと？順兄約束だよ…？』

「ん。約束。」

〝A…お母さんが……〟

ー…

また、夢を見た
最近昔の出来事が走馬灯かのように夢に出てくる

『お母さん……っ』

目が覚める度に泣いている自分を
情けないとただただ思うばかりだった

これは運命だったのだと
言い聞かせることしかできない自分を…

もしも貴方にまた会えたら…
あの頃の私を許してくれますか…？

また私の手を取ってくれますか…？