【オリジナル】アースラルジュ１１ (ページ31)

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第５０４話　この戦い…負けるページ31

真っ暗になった
暗闇だ……
どこか後ろで、どこか前かもわからない
まぁやることもなく、座り込んで
少し考えてみた
で、ふと思い出したことがある

「どんなに絶望しても、希望はあるから」

ハデスが言った言葉だ
やっぱり、不思議と安心する…

この状況について考えていた
エアリーズ、ピスケス…
少なくとも幹部はまだいる
何人いるか分からないけど
タワーを乗っ取ってる奴らはきっと同じくらいか
それ以上に強い
正直、倒すなんて無理だ

だから、捕らわれているであろう、ライターさんを
救出できれば上々だと思っていた
それもできないとなると…
どうあがいても、この戦いは負ける
私たちには力が足りなかった…
敵が未知数であるから

あ「…光…？」

瞬く間に光が私を吸い込んだ
気づけば、レーゲンルートの前に座っていた

時雨「いてて…なんだ？落とされた」

クロウ「俺は何ともないぞ？
空間の中で暴れてたんじゃねぇの？」

時雨「…なっなんで分かるんだ…」

クロウ「暴れていたのかよ！」

？「出てきて早々騒がしいな…」

あ「銀朱…そうだ、琥珀たちは？」

銀朱「毒にかかった者たちは皆
通路の先にいるシノの元に運ばれた」

あ「通路の先…？
もう避難してるってこと？」

銀朱「…出てくるまで状況が大きく変わった
タワー脱却は失敗、タワーの方を見ろ
真っ赤な巨人はあらゆるものを焼き尽くしている
そして…逃げ損ねた奴らを食らっている」

あ「…え」

時雨「どういうことだ！
俺らは光に吸い込まれてここに出てきた！
一体、何時間あの中にいたっていうんだ！」

？「ごめん…なさい…」

あ「！ユウナ！！
傷が…！」

ユウナ「…あの後、チャンと共に逃げたの
逃げたんだけど…
別の奴に見つかって…
私は少しの怪我で済んだけど…
チェンが…」

クロウ「チェンがどうしたってんだ！！
無事なのか！？」

ユウナ「安心して、チェンは無事
だけど、酷い怪我をしてて
シノの所に運ばれた…
…もっと早く影の中から出したかったんだけど…
逃げる時に使った影響で
種族の力が一時的に使えなかったの
今はあれから３０分経ってる」

あ「…ありがとう、ユウナ
頑張ってくれたんだよね…」

ユウナ「…」

ユウナは少し泣きそうな顔をしていた…
クロウも重症と聞いたチェンの身を案じていた
一方時雨は、暴れまわって
血を求めて彷徨う赤い巨人を見て
初めて、絶望の顔を見せていた

あ「…逃げよう」