第440話 上に上る ページ15
ユティ「チッ…」
あ「助かったありがとう…」
ユティ「お前は獅子座だな
ほかの奴らも星座の名前を持つ」
レーヴェ「よく知ってるじゃねぇか
だが知ったところでもう遅いんだよぉ!」
あ「! 逃がさない!!」
ブレスレットを付けたのはいいが
レーヴェが起こした地震で足がもつれて倒れた
…腰のあたりが生々しく痛い
あぁ…出血コースだなー…
ユティ「あいつ…上に逃げやがったぞ!」
あ「…はぁー…」
ユティ「落ち着いてないで、天使の力で治癒したらどうだ」
あ「それがあったか、治れ〜」
「おーい! あいつはどうした!」
ユティ「逃げられた
なぁ、上の世界に戻るにはどうしたらいい?」
「そりゃ上に上るしかないだろ」
ユティ「上って帰れるものなのか…
なぁ、種族の力でなんとかなるんじゃね!?」
「それは無理だな、距離がありすぎる
きっと体力を使い果たしてしまうぞ」
ユティ「…」
あ「元々、ここはそういう場所だよ
地獄は帰り道はあそこしかない
地獄殿…」
ユティ「そーれーをー!!
早く言えぇぇ!!」
あ「ギャー!? 痛いんですけど!?」
天井に空いた穴からは
黒い羽を宿したレーヴェが
赤い輪っかを空中に浮かべると
その中を通った
次の瞬間、姿はどこにもなかった
通った穴の先にもいなかったのだ
「なんで、地獄殿を知ってるんだ
お前は人間だろ?
それに死の匂いがしない
お前、死んでないだろ」
あ「…まぁ死んでないし、生きてる
知ってるのは昔、ずいぶん昔にここに来たことがあるからだよ」
「…ふーん、詳しいことは知らないが
なら、サタン様に会うべきだな」
あ「? サタン様?」
悪魔はこの地獄に落ちた者たちに
罰を与える役割を持つ
地獄には8つの振り分けがある
ここは一番最下層にの無間地獄
父母の親殺しをしたもの、聖職者
つまり、神父や紙に近しいものを殺したものが落ちる場所
2000年も落ち続けてたどり着く場所らしい
そんな長い年月を落ち続けている間に改心しそうだ
サタン様がいると思われる館に来た
気難しい方らしく、怒ると手が付けられないらしい
おまけに……
?「お前美しいな、俺の女になれよ」
あ「……えーと…」
「サタン様!!
この方は生きている人間です!
先ほど報告したように
王の器を盗んだのは冥界の王の閻魔の息子
レーヴェと名乗っているものです」
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