大嫌いって言わないで４ (ページ16)

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田中｢駆はぁ～何て言うかぁ～ｸﾈｸﾈ｣

Aさんにグイグイ来るお姉さんに、引きながらも愛想笑いをするAさん

第一印象では、割りと普通なのかな？と思っていたお姉さんですが

時間を追うごとにｸﾈｸﾈしてきました。

田中｢あ！良かったらコレ！使って？｣

そう言って手渡されたのはスーパーの２００円引き券

｢ありがとうございます｣

田中｢ん～良いの良いの！じゃあ駆によろしくね♪｣

｢は、はい・・・｣

あらしのように去っていったお姉さん

Aさんは呆然とその後ろ姿を見送っていました。

手には貰った２００円引き券。

比与太｢田中先輩、この辺に住んでるみたい｣

｢そうなの？｣

比与太｢先輩のマンションから割りと近い所みたいだよ？｣

｢ふぅ～ん。

ねぇ？比与太？あの人、兄貴のこと好きなの？｣

感じたままにAさんがそう比与太に聞くと

比与太は笑って言いました。

比与太｢あはは(笑)多分ね～。先輩モテるからね。

男女問わず優しいし。｣

｢ふぅ～ん｣

お兄さんに気がある人と分かり、お姉さんを見る目が

無意識に厳しくなるAさん

貰った２００円引き券を比与太に渡しました。

比与太｢ポイント貯めると貰えるんだよね～これ(笑)｣

｢兄貴に言えよ？ってことかしら｣

比与太｢えっ？｣

｢兄貴もいい加減ナユカさんと結婚すれば良いのに｣

比与太｢ふふっ(笑)｣

｢そしたら少しは寄ってくる女も減るだろうに｣

比与太｢Aちゃんもヤキモチだね(笑)｣

｢ん？｣

比与太｢お兄さんへのヤキモチ。良いなぁ～先輩は～｣

｢ヤキモチ・・・｣

比与太に言われて考えました。

言われてみればこれもヤキモチか、と。

年の離れた強くて格好いいお兄さんが昔から大好きなAさん

お兄さんもAさんが可愛くてしかたがないのは小さい頃からずっとで

これまでAさんをお兄さんなりに守ってくれていました。

とても良い兄妹です。

比与太｢心配しなくても大丈夫だよ？

先輩は自分で言うより凄く一途な人だから｣

｢一途？｣

比与太｢先輩にとっての女性はナユカさんだけだから｣

｢・・うん｣

比与太もちゃんとお兄さんを理解してくれていたことに、とても嬉しい気持ちのAさん

繋いだ手をギュッと握りました。

比与太｢っふ(笑)じゃあ今度はお肉ね｣

｢うん｣

比与太のことが少し頼もしく思えたAさん

手を引かれて歩く二人の距離も前より近づいて

心の距離と比例しているかのようでした。