大嫌いって言わないで４ (ページ30)

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Aさんとの電話の向こうから男の声で『A』と言ったのをハッキリと聞き取った比与太

マンションのエントランスからエレベーターで上に上がろうとしていたところで

イヤな胸騒ぎを覚えます。

比与太｢Aちゃん？……そこに男いる？｣

『あ？うん、いる。同期の山田と山田の連れ』

比与太｢山田？同期？｣

『こっちもタクシーで帰るみたいよ』

比与太｢え？ｱﾝｼﾞｪﾘｰﾅちゃんと？｣

『ううん。ｱﾝｼﾞｪﾘｰﾅは方向違うから、私は山田と』

比与太｢え？｣

何も気にすること無く、普通にそう報告するAさんに

比与太はイヤな予感しかしません。

比与太｢ちょっ！男と2人でタクシー乗るの？｣

『男ったって山田だよ？同期の山田』

山田を知らない比与太には

同期だろうが山田だろうが男には変わり無く

そんなヤローと2人きりでタクシーで帰ろうとしているAさんが

心配で心配でたまりません。

比与太｢俺Aちゃんのマンションの前で待ってる！今から向かう！｣

慌てた比与太は直ぐにマンションのエントランスを飛び出し

走っているタクシーを捕まえに向かいました。

『えっ？今からって……もう遅いよ？大丈夫なの！？』

比与太｢大丈夫じゃないよっ！男と2人でタクシーなんてっ！！

俺待ってるからねっ！Aちゃん帰ってくるのマンションの前でっ！

男に変なことされないように！！迫ってきたらぶっ飛ばして！いい！？｣

心配でたまらない比与太とは反対に

そんな焦っている比与太に、少し嬉しさを感じているAさん

『ふふっ(笑)大丈夫だよ。そーゆーの比与太で慣れてるから。

ってか、迫ってなんか来ないから(笑)じゃあ、タクシー乗るから電話切るねー』

呑気に笑いながら電話を切ったAさんに

比与太は更に焦りを感じています。

そして比与太もタクシーを捕まえると、超特急でAさんのマンションまで車を飛ばしてもらうのでした。

山田｢Aの彼氏ってどんな？｣

タクシーに乗り込んだ山田とAさん。

電話で何やら感じ取った山田は、Aさんにどんな彼氏なのかを聞きました。

｢ん～……元えげつないほどの遊び人｣

山田｢はっ！？なにそれっ！大丈夫なのかよ！？｣

Aさんの言い方が悪いので、当たり前に驚く山田。

普通の人のリアクションです。

｢元だから。もうやめたの｣

山田｢やめられんの！？そんなヤツ｣

｢うん。やめられた。｣

山田｢怪しすぎんな～ソイツ｣

ですよね～。