守るもの (ページ8)

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EP8 ページ8

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ケ「スウォン様」

ス「なんですか？ケイシュク参謀」

ケ「火の部族カン・テジュン様が、どうしてもスウォン様にお会いしたいそうです」

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ス「やぁ、すみません。お待たせしましたテジュン殿。今日はどうされましたか？」

テ「大事な…即位式前日に申し訳ありません。貴方様に…どうしてもお渡ししたいものがあって参上しました」

そう言うとテジュンは、懐から赤い髪の束を出し

テ「ヨナ姫が…亡くなられました」

ヨナが…死んだ？

テ「風と火の大地の境…北山にてハク将軍とヨナ姫を追いつめ…あと少しというところで2人は谷底へ…」

ケ「なんとあの絶壁から落ちた…！？スウォン様は危害を加えないよう命令を下された、あろうことか追いつめ殺したなど。これは大逆ですよ、カン・テジュン様」

世界が闇に包まれる

2人の声が、風が途切れるかのように遠く聞こえていた

何を話しているんだ？

頭が…働かない

テ「そうだ…私があの方を殺した…どうか罰をお与えください…」

ケ「スウォン様」

ス「ｯ！……今日は城でお休み下さい。明日の即位式には出席してくださいますよう」

テ「そんな…私に罰を！どうか」
ケ「テジュン様」
テ「スウォン様っ！！！！」

…

スウォンは誰もいないところまで歩き、赤い髪を握り締め呆然としていた。

『スウォン？こんなところでどうした？明日は即位式だろ、早く休めよ…何を持っているんだ？』

スウォンは持っていた髪を素早く懐に隠した

ス「…いえ、なんでも。そうですね。早く休みましょう」

そう言うとスウォンは寝所の方へ足早に歩いて行った

『？？…あぁ。
なんだ？顔色が悪かったな…即位式前に怖気付くような奴でもなかろうに』

目がまわる

私が…私があの2人を追い込んだ…

このことは、まだAには伝えられない。

せめて、明日の即位式が終わるまで

私の気持ちにケジメがつくまでは

どうか気づかないで…