守るもの (ページ14)

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EP14 ページ14

城の抜け穴を潜り抜けようとしたその時、
穴の前にAが、文字通り仁王立ちで立ちはだかっていた。

ス「Aか、脅かさないでくださいよー」

『なーにが脅かさないでくださいよーだ！！
お前この間、この高華の国王になったんだよな！？
こそこそと城を抜け出しよってっ！
自覚はあるのか！？
ないな、ないんだな！？
ならその座をか・わ・れっ！！！』

そう言いながら、スウォンの胸ぐらを掴み激しく揺らすA

ス「わーぁ！ごめんなさい！謝りますから許してください〜」

『だいたい、なぜ私を誘わないのだ！！
城下町に出ていたのだろう！
私も食べたかった揚げ団子ーーー！！！』

ス「(そっちかー)そう言うだろうと思って
はい、お土産の揚げ団子です！
買ったばかりなのでまだ温かいですよ、一緒にどうです？」

『んぐっ！…いただこう
だが次からは誘えよ！！護衛も兼ねて付き添ってやる！』

ス「わかりました。
ところでA、地の部族領でなにやら怪しい動きがあるそうです。なので偵察に行こうと思うのですが、一緒に『行くっ！！！』…早いですね(笑)」

『護衛は任せろ！早速支度してくるぞ！』

ス「あー、護衛はジュド将軍に頼みますので」

『？？』

ス「ええっと…護衛としてではなくてですね
即位もその後も何だかバタバタしていて何もできていませんが、
一応、夫婦になったので…
新婚旅行…みたいな？してみたいなーと」

『な！？！
そ…うか、なるほど。
すまん、こういうことに疎くてな…』

ス「いえ、私も初めてで…とにかく！偵察なのであまり派手には動けませんが、少し観光もかねてと言うことで準備していてください」

そう言ってスウォンは足早に城へと帰っていった。
それからしばらくその場で固まっていたAは、ハッと我に返り

『……護衛じゃないなら武器はいらんと言うことだよな？
準備とは…何をすればいいのだ？？』

こういう時にヨナが近くにいれば…と思ったが
いたらいたで、この状況を良くは思うまい。
大好きだったスウォンが

自分ではなく私の夫なのだから

ヨナ、すまない

だが私も、スウォンを大切に思ってしまったのだ

『とりあえず、近くの女中にでも聞くか！』