守るもの (ページ13)

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EP13 ページ13

ス「…阿波がきな臭いんですか？？」

城下町の栄えた通りから一本細い道に入り、奥へ奥へと進んでいくと、ならず者が集まる集会所のようなものがあった。
そこではこの街に限らず、色々な国の情報も入ってくる。
スウォンは情報収集のため、時折この場所を訪れていた。

オ「おーよ。最近、どうも言い噂は聞かねぇな
なんでも、領主が人身売買でがっぽりって話だ。
といっても噂だけで、まだ証拠は掴めてないけどな」

ス「(地の部族か…)オギさん、いつもありがとうございます」

オギはこの集団をまとめ上げるリーダー的存在であり、東区の裏の顔と呼ばれている男だった。
昔、ヨナが城下町に遊びに出て人攫いに合い
一緒に城から抜け出していたハクとAと共に街中を探し回ったこともある。

オ「ウォンの為だからな！」

「鼻の下伸びてるぞー」
「ウォンのこと大好きだよなー」
「おっさんの恋なんて需要ないっての」
「贔屓しすぎだぞー」

オ「お前ら煩せぇぞ！こんなちみっちゃいガキの頃から知ってんだ！贔屓して何が悪いってんだよ！」

ス「本当、頼りにしてます。
ひとまず阿波の件は、証拠が掴め次第、いつもの方法で連絡をお願いします、」

オ「もう帰んのか？」

ス「はい、有意義なお話を聞けてよかったです。
今日はありがとうございました！」

オ「またいつでも来いよ！」

オ「(ウォンのやつ…
何事もなかったかのように普通にここへ来やがって。
新王即位の背景にも、色々あったって噂だってのに
が、あいつにかかればそんな噂なんてのはすぐ消えちまうだろうな。
他の仲良しコンビは元気にしてんだろーかねー

っと、俺は知らぬ存ぜぬでいかねーとな
なんだかんだ最初から付き合いのあるウォンが可愛くて仕方ねーんだから…)」

オギがそんな事を思ってたとは梅雨知らず、スウォンは城へ帰りながら、先ほど聞いた話を考えていた

ス「(このまま戦のきっかけにでもされたら面倒だな
地の部族に関しては、恩を売っておくのも悪くないし
護衛はジュドさんについてもらって…)『スウォン！』…！？！？」