素直【爆豪勝己】 (ページ19)

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マンションの下まで車で送ってもらった。

バクゴーさんも車を降りて見送ってくれる。

『いろいろほんとにありがとうございました！』

ペコッと頭を下げてお礼を言った。

「おう。」

『…じゃあ、おやすみなさい。』

振り返ってマンションに入ろうとしたら、

「おい。」

手を掴まれて、振り向いた。

『はい？』

なんだろう？と思い首を傾げる。

「…スマホ出せ。」

『え？』

「いいからはよ出せ！」

『は、はい！』

スマホをカバンから出して差し出す。

バクゴーさんは私のスマホを操作してなにしてるんだろう。

PiPiPiPi！PiPiPiPi！

バクゴーさんの電話が鳴った。

『…？バクゴーさん電話鳴ってますよ？出なくていいんですか？』

「俺がかけてるんだからいんだよ。」

『え？あ、スマホ無くしたんですか？ポケットでなってますよ？』

「ちげえわ！バカか。…チッ、
なんかあったら連絡してこいアホ。」

そう言ってポイっとスマホを私に投げ渡す。

スマホの画面には「爆豪勝己」という文字と電話番号。連絡先を登録してくれたんだ。
ラインも登録してくれていた。バクゴーさんの意図がわかって思わず顔が緩む。

『あ、ありがとうございます！』

「…それと…」

『はい？』

「これからは名前で呼べやわかったかアホ！」

『え？どうしてですか？』

「ヒーロースーツ着てねえ時もバクゴーバクゴー言ってたらプライベートもくそもねぇだろうがよ。周りにモロバレだろうが。視線がうぜえんだよ。そんくらいわかれや。」

『そっか！…そうですよね！これからは気をつけますね勝己さん！』

「おう。」

勝己さんは嬉しそうに笑って私の頭をポンポンっと優しく撫でた。