. 番外編 ページ13
「あ、エヴィ様、聞いておきたい事があるんですけど...もう嘆きの島へ行かれないのですか?
それに最近、表情が暗いように見えますが。」
お話相手、というか本来は侍女のジョネヴィーブが私のベットの上に腰掛けながら聞いてきた。
最近本当に遠慮しなくなってきた。
まぁ別に私としては構わないのだが、周りは違うようで。嫌がらせも少なからず受けている筈なのにこの子はニコニコしてる。
私はジョネヴィーブの隣にストンっと腰を下ろした。
『...ジェリー、貴方最近遠慮がなくなってきたわね...もう行かないわよ。あの子に私は元々必要なかった訳だし。後、表情が暗い?いつもの事じゃない。』
確かにいつも表情暗いですね、と遠慮なくズバッと返してきたジョネヴィーブを横目にため息をついた。
確かにあの子にとって私は必要なかったように思う。あの子が私と結婚することを選ぶか他の女の子を選ぶか、どちらかを決める時まで静かにしていよう。
「...よし!!城下町行きません?」
『は?......良いわ。一緒に行きましょう。貴方どうせ私の事連れ出す気だろうし。』
魔法で角を隠して、一応頭の上から黒いベールを纏い、ナナカマドの黒々とした杖を持つ。
ジョネヴィーヴは護衛用なのか精霊の花の花粉に鉄粉を混ぜたものを矢尻に塗った矢と弓を背負う。
因みに、この花粉は妖精族ならばかけられれば一瞬で消滅する。
彼女も妖精族なので使うのはどうかと思う。
「気分転換になるといいですね。」
『お願いだからその矢をこっちへ向けないでね。』
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