綺麗な地図 ページ28
天井には青や紫の煙が渦巻き、その間を本が何冊か飛び回っていた。
真ん中に王冠をあしらったシャンデリアがさげられ、その上にハトが飛んでいるという、凝ったデザインだった。
コリアキンは部屋の隅に立てかけてあった紙束をつかみ、空中へ投げた。
紙は空中でぱらぱらと広がり、地面にゆっくりと落ちた。
それは地図だった。
海や島々が立体的に描かれ、上に雲まで浮かび上がる。
「綺麗な地図・・・」
ユースチスが思わず感嘆した。
ルーシィとエドマンドは驚いたように目を合わせ、ユースチスを見やる。
「空想の世界の地図にしてはってことだよ！」
ユースチスは慌てて付け加え、Aがクスッと笑った。
地図の隅には鮮やかな色彩で動く絵が描かれていた。
角笛を吹くセントール、ぶつかり合うナルニア軍と魔女軍・・・。
ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィの四人が、王座についた戦いだ。
先頭を切って走る白馬、それに跨った鎧はピーターだ。
その隣に仕えるように駆ける荒っぽい黒馬、その背に乗っているのはAだ。
戦いに参加した三人は、懐かしげにその絵を見下ろした。
「災いの元は、これだ」
コリアキンは地図の上に手をかざした。
海の上から覗いているように、地図がみるみるうちに変化し、海上を移動してある島を映し出した。
その島はどす黒いもので出来ていて、土や木があるようには見えなかった。
中からは緑の霧があふれ出している。
「―――くらやみ島―――」
コリアキンは重々しく島の名前を口にした。
その名前に見合うほど、島は嫌な雰囲気に包まれていた。
「―――悪の潜む場所。
変幻自在に姿を変え、邪悪な夢を叶えてくれる。
あらゆる善きものを堕落させ、この世から光を奪おうとしている」
全員の顔に、緊張が走る。
Aだけは、眉をぴくりとも動かさなかった。
「どうすればいいの？」
ルーシィが勇敢さを見せて尋ねた。
コリアキンの答えは、実に明確だった。
「魔法を解くのだ。その剣は他に、六本ある」
コリアキンはそういいながら、エドマンドが提げた剣を示した。
その剣は、ベルン卿から授かったものだった。
「見たの？」
「ああ」
「六人の貴族が、ここを通ったのか」
カスピアンが解ったという顔になった。
「そのとおり」
「どこへ行きました？」
「私の送った場所へ」
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c-chan=∞『CloveR』 - いえいえ。 続きを見れるだけでも嬉しいです！ これからも頑張ってください！ (2015年1月3日 22時) (
レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - c-chan=∞『CloveR』さん» ありがとうございます！続き楽しみにしてくださっているのに、遅くて申し訳ないです・・・！ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - リンリンさん» ありがとうございます！更新遅くてすみません・・・ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
c-chan=∞『CloveR』 - 続きどうなるんですかねー。 めっちゃ気になります！その為にも頑張って書いてください！応援してます！ (2015年1月3日 2時) (レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 続きめっちゃ気になります！頑張ってください( *´艸｀) (2014年12月31日 1時) (レス) id: ca6816fec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月姫 | 作成日時：2014年1月11日 12時
