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7話 私の幸福 ページ8

思い出した!


「あなた、昨日肉まんくれた人?!」


「え……っ、人違いじゃないか?!」


この人はかなり嘘が下手くそなようだ、目が泳ぎまくってる、あと冷や汗が凄い


「もう分かってるよ
昨日はありがとうね」

「いや、だから俺は……

何でもない、別にいいってことだ

しかし、よく分かったな、変装していたのに……」

「え?変装?」


私が首を傾げ、彼に問うが彼はしまったとばかりに口に手を当てて目が泳ぎだした


「あ……その

ふっ……告げる時がきたら、言うさ」

「いや、何格好つけてんの?」


いきなり、片手で片目を隠してかっこつけた
てか、熱は?


「体調は?」

「ふっ、俺の中の細胞が活気に満ち溢れているぜ」


あれ……こんなキャラだっけ?


まぁ人それぞれだからあまり気にしないけど


「嘘つけ」


とパーカーの胸倉を掴み、思いっきり私の額と彼の額をぶつけ合う


「アウチッ?!」

「あついじゃん、なに平気な振りしてんの?」


と、ぐいぐいと部屋に戻し布団に寝かせて、額にタオルを乗せる
少し額が痛むが、これは自業自得なのだ



「私、バイト行かなといけないから
ここにご飯置いとくから食べといて
飽きたら帰っていーよ、熱下がったらね」


私がズラズラと喋りまくったから、彼は『お、おう?』と曖昧な返事が返ってきた


「じゃ、いってきまーす」

「いってらっしゃい?」


返事があるって嬉しい……

今は約9時くらいだろうか


* * *


店の前に立ち、接客などをしている先輩をみる

一言、入りずらい

が、意を決して、足を踏み入れる
途端、たくさんの視線、それも優しいものなんてものじゃない


「遅れてすいません」


「はぁ……」

「ほんとにない」


悪いのは私だって分かってる
忙しい中、遅れるなんて、苛立ちどころではないのも分かっている
けれど、傷付くものは傷付く

刺さるような痛い視線、言葉には表さないけど分かりきった態度、溜息
その空気が『お前は邪魔』と言われてるみたい

その空気から逃げるようにスタッフルームへ入る


「……やめたい」


私は誰にも聞こえないようにボソッと呟いた
そして、着替えて店内に戻る

何故、続ける必要があるかって?

それはさ、花が好きっていうのもあるけど


「すいません、これ頂けますか?」

「いらっしゃいませ! 分かりました」


私が作った商品が買われることだ、この上ない幸せ、さらに買った人が笑顔になってくれること




それが私の__幸福

8話 予告状→←6話 優柔不断



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設定タグ:おそ松さん , 怪盗松   
作品ジャンル:アニメ
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菜薇秦(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!趣旨ブレブレですが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m (2017年5月9日 23時) (レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみにしてます! (2017年5月9日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
菜薇秦(プロフ) - にんじんさん» はい!めっちゃ楽しみです〜(´∀`) (2017年4月9日 20時) (レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 二期楽しみですね (2017年4月9日 18時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
菜薇秦(プロフ) - あ ん 二 ンさん» ありがとうございます!その言葉が私の更新の励みになります(^ ^) (2017年3月21日 0時) (レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜薇秦 | 作成日時:2017年3月3日 21時

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