12話 疑問 ページ13
No side
松たちの自己紹介が終えても、Aの表情は冴えない
むしろ青ざめる
「ところで、私を連れ去って……で?」
そう、Aは疑問に思ったのだ
自分を連れ去って何の得があるのかと
逆に損じゃないかと
そして、もしや怪盗と偽る犯罪者だったりして、薬の実験体?!
と顔には出していないが、心の中で焦っていた
「……何で連れ去ったんだっけ?」
赤色の彼__もといおそ松がうーんと頭を悩ました後、弟たちに顔を向け、信頼出来ない笑顔を向けた
「はぁ……だからおそ松兄さんは」
と緑のパーカーを着て、口が若干への字が特徴の彼__チョロ松が溜息をつき、長男を貶す
「ひどぉい、そんなチョロちゃんは知ってんの?」
泣き真似をして、チョロ松を挑発するように寒気がするあだ名で呼ぶ
「チョロちゃん言うな、そりゃ……」
と、おそ松を若干苛立ちを含ませた声で言い放ち『僕は周りと違う』と自称常識人オーラを醸し出し、然も同然のように言葉を紡ぐ
「……何でだっけ」
長い間があったあと、皆がチョロ松を見ていてずっこけた
そして、おそ松にゲラゲラと笑われ、顔を真っ赤にしたチョロ松がAの疑問をカラ松に振る
「カッ! カラ松兄さんが言い出したんだ!」
「っえ?! 俺!? ……あ、俺か」
カラ松の天然っぷりを拝んだところで、彼が実行犯だということがわかった
それには、おそ松も目を瞬かせる
「んんっ……あぁ、そうだな
おそ松……俺とAだけにしてくれるか?」
と、長男、いわば司令塔であるおそ松にここから退室してくれと促す
それに、一瞬おそ松は「はぁ?」と言葉を零したが、何かに勘づいたのか少しカラ松に悪戯っぽい笑みを浮かべて
「よぉし、お前ら出てくぞー」
「っえ?」
弟達に促したが、彼らは呆気に取られている
何故いきなり二人にするのだろう、と
だけど、おそ松は「早く早く」と弟たちを催促し、襖から出ていく時
「ごゆっくりー」
と、貼り付けたような笑みで立ち去った
あの笑みの裏に何が潜んでるんだ、と一抹の不安を感じたAであった
残されたAとカラ松
お互い何も発さず、静かな時が流れる
「……あの、怒ってるか?」
「はぁ? 怒ってない」
おずおずと話題を切り出したカラ松だが、ピシャリと答えを食らう
自分より腰が低いカラ松だからか、いつもより強気で出るA
「やっぱり怒ってるじゃないか」
若干拗ね気味のように答えたカラ松は幼い子供のようだった
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菜薇秦(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!趣旨ブレブレですが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m (2017年5月9日 23時) (レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみにしてます! (2017年5月9日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
菜薇秦(プロフ) - にんじんさん» はい!めっちゃ楽しみです〜(´∀`) (2017年4月9日 20時) (レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 二期楽しみですね (2017年4月9日 18時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
菜薇秦(プロフ) - あ ん 二 ンさん» ありがとうございます!その言葉が私の更新の励みになります(^ ^) (2017年3月21日 0時) (レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜薇秦 | 作成日時:2017年3月3日 21時