story 21 ページ21
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「もしもし、おつかれ様〜」
『おーー、おつかれ』
「めっちゃ楽しかったよ〜、どうしたの？」
電話にでれば、何やらガヤガヤとした騒音と少しだけ掠れているなるせの声。ライブが終わった直後に、一体なんの用だろうか。
『いやあのさ、Aもう会場でた？』
「会場？うん、とっくに」
『は、とっくに？！今どこ？』
「どこって……車の中、今ちょうど乗ったとこだけど」
まだ出発していないということを伝えれば、あからさまに安心したようなため息が聞こえてくる。なにやらこの場を離れない方がいいらしい雰囲気を察し、そのまま会話を続けた。
「なに、どしたのほんと…何かあったの？」
『いや、そういう訳ではないんだけど』
「うん」
『打ち上げ、Aもこないかなって』
「う、打ち上げ…？」
またとんでもない話を切り出してきたこの男。自分の耳を疑ったが、どうやら聞き間違いではないらしい。そりゃあ、今日はツアーのファイナルでもあるし打ち上げでもなんでもするのはわかる。だが、問題はそこでは無かった。
打ち上げということは、勿論彼もいるだろう。そこで頭に浮かぶのはあらきさんの姿だった。なるせとのサシ飲みならば、少し渋りはしても誘いにのったかもしれない。でも、これはまた話が違いすぎる。─…私が行っていい席では、ないだろう。
「一応聞くけど、あらきさんもいる？」
『いるよ、今日ファイナルだったしお世話になった人も呼んだ』
「そっか、……嬉しいけど、私は遠慮しとくね」
迷うことなくそう答えれば、え、と小さく零すなるせ。すると私の返事に納得がいかないのか、なにやら探るように話し出した。
『またなんか気にしてる？……楽屋ん時も言ったけど、俺達から誘ってんだから気にすんなって』
明らかに声色が変わり、宥めるように、説得するように話される。そんななるせへ、誤解を解くようにゆっくりと口を開いた。
「……それも少しはあるけど、
─…あくまでも推しなのだ、あらきさんは。そう自分自身へ言い聞かせるように、強く心で思う。何も考えないでいいのなら、喜んで参加したかもしれない。だが参加したところで、私がこのツアーで何をしたというのだろう。
楽屋の時こそは甘えてしまったけれど、今回まで誘いに乗ってしまえば後に引けなくなってしまう気がして。私も音楽で向き合っていかないと、と思う他ならなかった。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
