309*隠し子!?編39 ページ9
「さてここで、こはるさんに質問です。
あなたはどちらを選んでも苦しむことに変わりはありませんが……。
どちらを選びますか……?」
「……私は……私は……」
「やめなさい、こはる!
その者の話を真に受けるな!」
「私は……梓さんを選びます」
「こはる!!」
「もういい加減にしてください、父上!!
あなたのせいで関係の無いはずだった人が血を流したのですよ!!」
こはるさんのその声は今までの何よりも大きく空間を割いた。
「昔のあの優しい父上はどこへいってしまったのですか……!!
何がそこまで……父上を変えてしまったのですか……!!」
金四郎の高い着物に皺を寄せるかのように衿を掴んだこはるさん。
金四郎も観念したかのように力無くその腕を下ろした。
「……こはるさん……」
「……そう言えばまだ……こはるには言っていなかったことがあるのだ……」
「言って……いなかったこととは……?」
「こはる。お前の母は病死では無かった。
そして今も恐らく……この世界のどこかで暮らしているさ……」
「えっ……!
父上それは一体どういう……」
「お前の母は立派な武家の一人娘なんぞではなく……遊女だったのさ……。
あの吉原桃源郷の……」
「なぁ……!!」
ここにいた全員が息をのむ気配を感じたが……。
きっと一番驚いていたのはこはるさん自身だ。
「どんな約束も月が沈めば砂と化す。
そんな世界にも関わらず私はあの人に惚れちまったのさ……。
それから私との子供を産んじまったあの人だが吉原の街を出ることは出来なかった……」
「だから……父上だけで……私を……」
34人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モコ(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます。 ただいまストーリーの作り貯めをしておりましてもうしばらくお待ちくださいm(__)m (2017年5月13日 17時) (レス) id: f3c615ea45 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 疲れたらゆっくり休んでください。 (2017年5月12日 16時) (レス) id: 4d82223b28 (このIDを非表示/違反報告)
モコ(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます! こんな作品にそのようなことを言って頂けて嬉しいです(/ー ̄;) 現状は全快といったところなのでこれからまた更新頑張ります♪ (2017年4月10日 19時) (レス) id: f3c615ea45 (このIDを非表示/違反報告)
零 - いつでも待ってます。だから疲れたら休んでください。体壊したら元も子もないですから。 (2017年4月10日 12時) (レス) id: 4d82223b28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モコ | 作成日時:2017年3月17日 6時