７【銀魂】黒夜叉、罷り歩くに。

３２５＊紅桜編10 ページ25

「高杉晋助、と言えば
十分だろう？」




……晋助……


どうして似蔵が晋助の名前を……




「……ハッ。
あたしがそれを聞いて動揺するとでも？」


「嘘はいけねェや。
オレには見えるぜ、お嬢さんの戸惑いが……」


「……ったく、余計なとこばっか突いてくるんだから……」


「まぁそれは置いといて。
あの人がお嬢さんを呼んでるのさ。
オレはそれを伝えに来た」




……晋助が？


なんのために……




「目的はなんなの」


「さァね。
あの人の崇高な頭ん中は誰も理解出来やしないさ」




似蔵の口振りからして晋助とは身内なのか……。




「アンタ……鬼兵隊に？」


「よく分かったじゃないか。
その通りさ」


「……また面倒なのと出会ったもんよ……」


「出会ったのか探し出したのかは追及しないでもらえると助かるがねェ」


「いやあたし何も言ってないし。
今のは完全にアンタが墓穴掘ったよね」




何を考えているんだろうか、目の前の男は……



似蔵の閉じているその目を睨み付けるが分からないものは分からない。




「今回はちょいと派手に暴れ回る予定さ。
真選組にも足止めをしてもらわなきゃならなくてね」


「で、あたしを人質に、と？」


「あの人が人質にとるならお嬢さんをと指名を承ってきたのさ」





暴れ回る予定……？


具体的には分からないけれど何だかとてつもなく嫌な予感がする……。




「まァ、お嬢さんが仮にオレを倒そうが倒すまいがあの人の計画は止められんよ」


「……そう」

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