59*妖刀編その後1 ページ9
「万事屋……銀ちゃん?」
ここかな?
と、手元の手書き地図と目の前にある木造の建物とを見比べる。
昨日の佐倉逮捕から一日。
あたしは急遽、非番を貰えることになった。
一応安静にしておくことを表向きに頂いた非番だったのだが。
昨日のパトカーから脱走後、銀時は先に帰ってしまったため色々と……まぁ主にお礼を言い忘れていた。
そこで非番の今日を使って、銀時に会いに行こうと片手に彼の御用達だという店の甘味品を持って木造の階段を上る。
ちなみに、もう片方の手には土方さんから預かっていた銀時への報酬が。
土方さんに銀時の所へ行って来きますと伝えると、ついでだから渡してきてくれと頼まれた。
まー、お互い会ったら会ったで、めっちゃしょーもない口喧嘩が始まるもんね。
しっかし、えらい荷物だ……
インターホンを鳴らすのも、やっとのことで。
指を其処へ伸ばした時……
「……っわ!」
玄関の引き戸がガラガラっと小気味好い音を立てて開いた。
そこにいたのは……
「おー、銀時!」
年がら年中、眠っっそうというか怠っっそうな顔をした銀時がいた。
どこかへ出掛ける予定だったのだろうか。
あたしを見つけて、眠そうな紅い目が少し驚いたように見開いた。
「……Aじゃねーか。
どうしたんだよ?」
「えっと……
今、大丈夫?」
どこか行く予定だった?と聞けば、暇だからブラブラしようとしてただけで大丈夫だと答えられ。
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作者名:モコ | 作成日時:2016年3月26日 21時