83*数日後 ページ33
神楽ちゃんからの求婚?から数日。
あたしは今まで通りサボリに命を懸ける日々を送ろうとは思っているのだが。
歌舞伎町の見廻りだけは極力避けるようにローテーションを組むことにした。
それでも土方さんと見廻りが当たった日は仕方無く辺りを伺いつつ、というか無理やり連れて行かれるのだが。
歌舞伎町見廻りの業務を遂行。
一度だけ、見廻り中に神楽ちゃんの姿を見かけたことがった。
─アイツは大丈夫だっての。
寝たら忘れる奴だからよ─
「……銀時の嘘吐き……」
数日前の銀時の言葉を思い出し、今は見ぬ旧友に悪態を突く。
あの日見た神楽ちゃんは定春を連れておらず、シュンと肩を落として歩いていた。
声なんて掛けられなくて。
自分には何も出来ないから……。
真選組にしか居場所がないと言い訳ばかりして。
目の前の女の子一人……笑顔にさせてやれない自分。
ただその寂しそうな背中を見送ることだけだった。
「……はぁ」
「Aさん、最近溜め息ばっかりでさァ。
今ので今日三十回目ですぜ?」
「……んー」
「そんなにあのチャイナが気になるんですかィ?」
「……当たり前だよ……」
沖田に事情を話したあたしは、また溜め息。
沖田の方は神楽ちゃんと何やら確執でもあるのかえらく攻撃的だったが。
今のあたしは食事なんてものにも手が付かない始末。
食器にはあたしの分の食事と沖田が寄越してきた野菜の山が。
沖田も、こんなあたしの様子が続いていたので辟易したように溜め息をついた。
「ってかさ、溜め息ついてる沖田も土方さんと喧嘩してるじゃんー」
「いつものことでさァ」
「……うっわー。
土方さんと一緒のこと言ってるし……。
何だかんだ仲良しなんじゃん」
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作者名:モコ | 作成日時:2016年3月26日 21時