80*万事屋の来客 ページ30
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本日も仕事と金無しの万事屋だったのだが。
今回はチャイナちゃんに振り回された客人が一人。
まぁそれ、あたしなんだけどね。
「銀ちゃん!
私、遂にこの地球(ほし)で運命の王子様と出会ったネ!」
「……いや、あのな……神楽……」
相変わらずあたしを女だと分からないらしいチャイナちゃんと……。
どうやら神楽ちゃんと言うらしい少女を宥めようとするも言葉の出ない銀髪の保護者……銀時と。
「……まさか神楽ちゃんの王子様が真選組の人だなんて……」
信じられないと言いたげな新八君の四人の間で様々な事情が交差して、えらい事態を引き起こしていた。
神楽ちゃんは、まずあたしを女とは思っていないし。
新八君は、Aとしてのあたしと会ったことはあるが、マコトとしてのあたしとは会っていないし。
全ての事情を知っているのは銀時だけだった。
そして、ここで初めて神楽ちゃんもここの従業員だと知った。
この前は某白い犬?の定春の散歩に行っていたらしく女としてのあたしとは会わなかった訳なのだ。
そして……神楽ちゃんが宇宙最強を誇る戦闘種族、夜兎で天人だったことを……
あたしはここで初めて知った。
「……夜兎……。
神威と……一緒だ……」
─へぇ〜っ。お姉さん強いねぇ?─
─あそこのお偉いさんに殺さない程度にお姉さんと遊んでくれって頼まれたんだよね─
─オレ? オレの名前は神威、だよ?─
「何か言ったアルか……?」
「……っあ! ううん。
何でもない」
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作者名:モコ | 作成日時:2016年3月26日 21時