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６４＊妖刀編その後6 ページ14
「……おーきた。
入ってもいい？」
返事は求めてないんだけどね。
あれから四人の背中を見送った後、色々考えたけれど、やっぱりじっとしていられなくて気付けば足が伸びたのは沖田の部屋。
入ってもいいかと聞きつつ、返事は聞かないで障子を開ける。
するとあたしから背を向けて、ゴロンと寝っ転がっていた沖田を見つける。
吸い寄せられるようにその背中が見えるよう寝転んだ。
「こんなとこで昼寝でもするんですかィ？」
「だめですかー、沖田隊長殿？」
「またあの刀で変なキャラにでも目覚めやしたかィ？」
「あれは部屋に置いてきたから違うー！」
話はまた戻るのだが佐倉に言い渡された刑は斬首。
その直前、あたしの手元に届いたのは佐倉の愛刀で……
あたしがあの日、一目惚れして買った刀だった。
佐倉曰く、過ちや何もかも含め誰かの記憶に残っていたいと。
あたしに届けてくれたようだった。
それは今も、あたしの部屋に大切に立て掛けてある。
「……今回は……Aとして沖田の部屋に来たんだ……」
そっと手を伸ばして指先だけを沖田の肩に重ねた。
ピクンと小さく跳ねた沖田の身体。
「……沖田は、沖田のままでいてね……」
独り言のように、あたしはそっと呟いた。
彼に届いているのかは、分からない。
それでも……よかった。
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作者名：モコ | 作成日時：2016年3月26日 21時
