「浮気なんてするもんか(切実)」中原中也 ページ1
マジで私の男のセンスは終わってると思う。
昔の私に云いたい。男は顔じゃ無い。中身だ。
「A、今日太宰と会ッてただろ」
むっつりした顔で私を見詰めるのは素晴らしい美貌の私の恋人・中原中也だ。
身長は小さいのだが、心は大きい。優しくて、面倒見が良くて、私を包み込んでくれる人…なのだが、独占欲が強くて、時々いや結構男関係は注意されている。
マフィアという職業柄、どうしても男女の比率が悪く、男と仕事をするのが当たり前なのに、中也はそれに毎回突っ掛かって来て、正直最近は面倒くさい。
でも、私も私で近付きすぎた所等が思い当たるので、全てを中也のせいには出来ないのだ。
「今度の任務について話してたんだよ」
私が応えれば、中也は反論してきた。
「近すぎだ。もッと離れて話せ」
そんな所まで見ていたのか…。正直好意を寄せられるのは嬉しいし、私だって中也を好きだから多少は「可愛い恋人の嫉妬」で終わるのだが、ここまで来ると怖いの一言に限る。
「分かったよ」
反論すればもっと面倒くさくなるので、ここまでにしておく。しかし、ここで気付けば良かったのだ。…中也がどれ程私を愛しているかを。
∵∴∵
とある日。私は外の空気を吸おうと屋上に居た。しかし其処には嫌な先客がいて、私が慌てて踵を返す前に、声をかけられてしまったのだ。
「やぁ、今日は。中也の可愛い可愛い恋人さん」
嫌味だ。実に嫌味である。私は屋上に来たことをとても後悔しつつ、適当にこの場をしのごうとした。しかし最悪なタイミングで、中也がこの場に現れたのだ。
「A、今日一緒に夕食……太宰」
「やぁ、中也。素敵な帽子だね」
嗚呼、今すぐ空気になりたい。
「…やッぱり浮気か?そんなに太宰が良いのか?俺はこんなにもAが好きなのに」
糸が切れた様に、私は叫んだ。
「私は世界で一番中也が好きよ!!でも、こんなふうに浮気者扱いされて、百年の恋も冷めそうよ!!!」
私の告白に、中也は目を見開き、ハッとした様に謝り始めた。
「す、すまん…!俺はAが可愛いから心配で、つい」
「…夕食」
「え?」
「夕食一緒に食べてくれたら、許してあげる」
勿論、私達はこの後美味しく夕食を食べながら仲直りした。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
15人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トメイトゥ - 好きです。こんなのが読みたかった! (2019年9月24日 8時) (レス) id: 203a0a39b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2019年9月16日 21時