深淵2 ページ37
静かだった景色にノイズが走るように世界が激情する。
穏やかだった波も次第に荒波を立て襲い
かかってくる。
砂浜さえも私を掴み離そうとしない。
「…なんて事は無い。
そう、今まで通りに…そしてこれ迄通りに。
いつも通りに抗うだけ。」
足場を固定された途端に荒波に呑み込まれる。
…大丈夫、此処は私の精神世界。
奥底に来ただけで何も変わらない。
「…息も……大丈夫。」
激しい波が私を深海へと押し込む。
空に浮かぶ下弦の月が見えなくなっていく。
勝負は簡単…私が水底に足を着けるか否かだ。
つまり、今が踏ん張りどころなのだ。
私が深淵の果てに辿り着く前に此処を抜け出す。
「終わりにしよう…もう、私は此処には来ない。」
泡沫の夢だと言いたい?
与えられたに過ぎない運命に従えと?
私の居場所は無いのだと言いたいの?
「…私の帰る場所は今も昔も変わらない。
私を望む場所が、望んでくれる皆が私の帰るべき
居場所なんだよ。」
だから、私は消えない。
こんな所で終われないよ……。
何度でも言うさ、終わりにしよう!!
「＿＿＿＿私を護り続けてありがとう。」
命の危険と合間見える度に私は何度も此処へ
やって来ては己の精神世界と戦った。
もう…頑張らなくて良いのだと言われてる
みたいだったのはきっと気の所為なんかじゃない。
私の……本音、なのだろう。
戦いたくないと
傷つけたくないと
剣を握りたくないのだと
決して口に出来ない言葉だったから。
だから、私の心が私を守ろうとしてくれていた。
戦いたくないなら戦わなくてもいいよと
傷けあわなくてもいいのだと
武器なんて捨てても良いんだよと
だから、私の深淵はこんなにも優しく穏やかで
綺麗なモノなのだ。
だから言ってあげなきゃ。
「…私はもう大丈夫だから。」
この言葉だけで、ほら…。
＿＿＿＿世界は私を受け入れる。
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唄詠(プロフ) - はらぺこあおむしさん» 期待に添えられるような力かは分かりませんが、頑張ります！応援ありがとうございます!! (2019年6月13日 23時) (
レス) id: ea4e738573 (このIDを非表示/違反報告)
はらぺこあおむし(プロフ) - ぎゃー、夢主ちゃんとうとう力の全てを出す感じですか？長かったような短かったようなまだまだ楽しみにしています (2019年6月12日 22時) (レス) id: e8dc64ea52 (このIDを非表示/違反報告)
唄詠(プロフ) - 秋が生き易いさん» ありがとうございます!!私も夢主ちゃんを描いていてとても楽しいので、そう言って頂けると嬉しいです。これから更新頑張ろうという気持ちになります。 (2019年5月26日 1時) (レス) id: ea4e738573 (このIDを非表示/違反報告)
秋が生き易い - 夢主にマジ惚れる。惚れてまうやろぉぉぉぉぉ！ (2019年5月24日 0時) (レス) id: 1a136e5fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唄詠 | 作成日時：2019年5月18日 22時
