瞳の中の誰か1 ページ40
ボクの瞳のことを研究員達は初めは『心眼』と
呼んでいたのを覚えている。
だから、ボクもそういうものだと思っていた。
見えない何かが視えて。
見えない何かを感じて。
見えない何かを理解して。
結局、見たくもない何かを視ることの出来る
眼なんだと思った。
だけど、それを覆したのは骸達を助ける為に
囮になった時。
最期の男の言葉と能力。
我らが王よ導き給え…だっけ?
そんなことを言っていた気がする。
心眼では無く王と言った男は讃え崇めた。
然し、無情にも男は息絶えた。
例えば、ボクの眼は心眼じゃなかったとして。
その王とやらの依代か何かだったとする。
そうしたらこの目を通してボクに何かを
告げる誰かはその王なんだろうか?
けど、心眼と似た力を宿すこの目は
どういうこと?
見えないモノ視える。
聞こえないモノが視える。
そこに無いモノが視える。
そしてボクはキミと出会って気づく。
あの日、キミと出会って少ない時間を共にして。
小さな喜びを感じた。
偶然じゃなくて必然なんだと悟ったのも
彼らの声があったから。
心眼を依代としてボクの中に眠る。
13の王達。
元来、『十王』とあの男は言った。
でも違った。
ボクの眼に宿る彼らは全員で13人。
即ち『十三仏』なのである。
まぁ、こんな知識があったはずもなく。
コレを気づかせてくれたのも彼等であって
ボクの眼でもある。
一方的に何かを伝えてくる彼らはボクの味方
というわけでもなかった。
お互いに不本意だったせいか故意的に関係を
持つことは無かった。
だけどこうして偶に危険な事が起きると
必ずといってボクを導こうとする。
ボクの目を通して世界を見たいからか、
それとも単なる暇つぶしなのか。
善意なのか。
まぁ、でも最終的には干渉を求めない。
なのに、今になってキミ達は出てくる。
心眼でやりくりして、それでもキミ達の
力を勝手に借りて…。
それが嫌だったの?
不本意だったとはいえ、キミたちもボクの目
を勝手に使って世界を視てる。
だからボクも勝手にキミ達の力を借りる。
それを許してくれないの?
ボクだって望んでキミたちをこの身に宿した
わけじゃないのに?
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キア - とても面白いです！続き待ってます、応援してます頑張ってください (2018年8月10日 10時) (
レス) id: 58399249fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唄詠 | 作成日時：2018年6月24日 23時
