【銀魂】ひとりを愛した遊女の話

詰んだ ページ7

銀時side
.







え、なにこの子飛び降りることが当たり前みたいに言うじゃん。



なんでそんな目で見るの、え、なんで？？




「ぬしが掴んでおるから下に行けではないか、さっさと離しておくんなんし」

「離しておくんなんし、じゃないの！！！！一応俺あなたの護衛ィ！！」


「いつまでおる気なんじゃ、さっさと帰れ」


「睡蓮ちゃんんんんんんん！！」




なんなのこの子、おかしいのこの子。俺本気で着物掴んでるのに何でびくともしないの。むしろ力強くなってない？？なんなの、なんなのこの子。




「ああ、わかった。ぬしわっちを脱がしたいんじゃな？」



「はぁ？」



「それならそうと言えばいいのに、ほら」



「ほらって何！？」





柵にかけてた足を下ろし両手を広げて、ほらほらと。…こりゃあいつらも手こずるわけだ。





「もっと上品にできねェのか」


「そんなこと言われてもなぁ」




想像の斜め上をいく厄介さ、先が思いやられる。そもそも、





「そんなに外行きたいんなら遊女なんかやめたらいいんじゃねェの？」



「酷いこと言うね、ダチョウに空飛べって言うてるようなもんでありんす」





はーやめやめと言って座敷に座った睡蓮。懲りた様子は伺えないが、一安心といったところか。




「えっと、銀次と言ったか」


「銀時です」


「銀太はいつまで雇われとるんじゃ」


「銀時だっつってんだろ！！！」





こいつまじで遊女なんか。最初に感じた上品さと色気はどこへ羽ばたいちまったんだ。




「辻斬りが落ち着かない限りは続くと思うぜ」


「詰んだ…」




…なんで遊女がそんな言葉知ってんだよ。

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