【銀魂】ひとりを愛した遊女の話

大門の見張り人 ページ37

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楼主様は妓楼のオーナーをしているらしく、わっちはその店舗のひとつで働くことになった。




楼主様はせっかくだからと、吉原で働く前に美味しい甘味屋に連れて行ってくれることになった。





「甘味屋には行ったことあるかい？」


「ない、です」


「そりゃ勿体ない、そこの団子は江戸一美味しいんだよ。あ、因みにここが吉原の大門」





大門には二人の見張りがいて、出入りする人間を見張っていた。


そのうちの一人が楼主様に気づいた途端顔色を明るくして近づいてきた。





「旦那〜！お久しぶりです！」


「久しぶりだね。聞いたよ、まだ桔梗を追いかけてるんだって？」


「もちろん！でも中々会ってくれないんですよー・・・」


「ははっ、桔梗は手強いだろうね」





しくしくと効果音がついてしまいそうな表情を浮かべるその人を楼主様は笑いながら慰めていた。



詳しい事はよくわからないけど、この人は先程いた桔梗という女の人が好きみたいだ。






「にしても旦那、随分無愛想な娘を拾ったんですね」



「まだ来たばっかりだから仕方ないよ」



「旦那に拾われるなんて相当運がいい」






楼主様とその人はしばらく立ち話をしていた。わっちは大門の向こう、吉原の外の世界を眺めていた。



それに気づいたのか楼主様は話を終わらせて“行こうか”と歩き出した。

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