【銀魂】ひとりを愛した遊女の話

もじゃもじゃ ページ14

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雲ひとつない空は太陽がよく映える。
こういう天気のいい日は甘いものを食べたくなるものだ。





「はいよ、睡蓮ちゃん」


「わーありがとうおばちゃん」





今日は昨日食べるはずだったおばちゃんのきな粉餅を食べに来ている。




あのもじゃもじゃ頭、銀之助だったか。
銀之助に見つかったらまた止められるからな、韓ドラが始まる前に飛び降りてきた。





「それにしても今日は随分と来るのが早かったじゃないか、何かあったのかい？」




「そうなんじゃー、変なストーカーを付けられての」





ひと口、またひと口とおばちゃんのきな粉餅を口に詰めていく。




「そやつのせいで外出禁止令が出ておる」



「元々出てるだろーが」



「わっ、銀之助」



「…もうつっこまねぇぞ」






急に現れた銀之助に少し驚いた。
女の頭を鷲掴みにするとは何と無礼な男じゃ。





「睡蓮ちゃんのストーカーって銀さんだったのかい」


「誰がストーカーだ」





みたらし二つと、慣れたように注文してどかっと腰を下ろした銀之助。





「何も言わないんじゃな」


「言っても聞かないだろ」


「ふふふ、よくわかっておる」






お昼前ということもあってか、甘味屋の前は人通り多く騒がしい。






なのに、
どうしてか心地よく感じる。






大好物の団子のお陰か、天気のお陰か、はたまた隣のもじゃもじゃのお陰か。



最後のが原因だとしたら、遊女としては駄目駄目じゃな。


ふふっと声がもれた。





「それにしてもぬし、よくここがわかったな」


「日輪に聞いたんだよ、大体ここにいるって」






あーなるほど。確かに吉原から出た時はこの甘味屋に寄ることが多いな。

日輪が知ってるとは思わなかったけど。





「お待たせ、みたらし団子だよ」


「おーありがとな」





きな粉派のわっちも鼻をかすめるみたらしの匂いには弱い。





「あの…よだれ出てるんですけど…」



「…あぁ、うまそうだなと思って」





穴が空くほど見ていると「…いる？」と差し出してくれたのでお構いなく頂いた。

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