10.行方不明 ページ41
サッカーボールを持って廊下を歩く。
入団テストが終わってから中庭で会おうと、ベンと約束していたのだ。なのに肝心のベンが見当たらない。
中庭でペニーを見つけてAは声をかけた。
「ねぇペニー、ベンを見てない？ 」
「あなたっていつも人を探してるわね。ベンは……どこにいるのかわからないのよ」
「そう、魔法薬学で会えるからその時にするよ」
「そうじゃないの」
ペニーが深刻そうな表情をする。
「……どういうこと？ 」
異常事態を感じ取ってAは怪訝な表情をする。
ペニーは言い出しにくそうに躊躇してから意を決して口を開いた。
「……行方がわからないの」
「行方が！？ ……ちょっと座って話をしよう」
中央のベンチにペニーを連れて行き、二人で並んで座る。
ゴブストーンをする生徒や雑談に興じる傍で、先程の話を再開した。
「行方不明ってどういうこと？ 歓迎会の後たしかにベンと話したけど」
「ベンがいなくなったのはその後よ」
「でも……そっか、約束したのも歓迎会のすぐ後だから……」
約束をしたのは歓迎会の数日後だ。その後に行方不明になったとすれば合点がいく。
「ホグワーツには隠し部屋や隠し通路が山ほどあるって言うからね……そうなると、探す場所が沢山あるな」
「先生たちは知ってることだから、すぐ解決するとは思うけれど……」
「私も時間のあるうちにベンを探してみることにするよ。きっと、ノア・ハワードには心当たりがあるんだろうけど」
Aは
「入団テストの結果が出るまでは時間があるから手始めに……そうだなぁ、ホグワーツの地図でも見てみるよ。どこかに違和感があれば、そこに何かあるかもしれない」
「私の方も、何か気になる噂があったら伝えるわ」
「ありがとう、ペニー」
図書室に向かって歩き始めると、廊下でノアとローワンの二人組とすれ違う。
すれ違った刹那、足を止めて二人を振り返った。
二つの背中は中庭へ向かっていく。
彼らの目的もペニーだろう。人気者の彼女の元には多くの情報が集まる。
「お兄さんと同じミスはしないでよ……？ 」
他の生徒の命が危険に晒されることをダンブルドアは良しとしないだろう。もしそうなれば、同じ道を辿ることになる。
赤いローブを羽織った二つの背中にそう呟いてから、Aは踵を返して図書室へ向かった。
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あくびさん(プロフ) - かるうらさん» ハリポタ本編で不死鳥の騎士団しか出てこず、映画では出てこなかったあのチャーリーです笑(ホグミスでは主人公と友達になります)他にも「あのチャーリー」で書かれている方もいらっしゃいますので是非笑 (2021年3月8日 7時) (
レス) id: 53deba8a5c (このIDを非表示/違反報告)
かるうら(プロフ) - 何気なく読んだので、4話のドラゴンのくだりで「え!?チャーリーってあのチャーリー!?」とビックリしました。ホグミスをやっていないので、チャーリー落ちが新鮮で楽しみです(すみません、5話までしか読んでいない衝動コメです)。 (2021年3月8日 1時) (レス) id: 9a522098d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくびさん | 作成日時：2021年1月30日 11時
