7.チェイサー ページ38
『さあレイブンクローの入団テスト、A・カーティスがクアッフルを手にしました！ 相手チームのチェイサーが迫る！！ 』
実況がなくても、今のAには嫌なほどその構図は見えている。
もっと言うと、入団テストの受験者全員にブラッジャーを叩き込むためにエリカ・ラスが待機しているのも見える。
恐らく「エリカ・ラスを超えるビーターがホグワーツに現れることはないから、これを堪え抜いた者は優秀な選手」という判断だろう。マダム・ポンフリーがそばで控えていると良いのだが。
3人のチェイサーがクアッフルを奪おうと突撃してくるのに加えて、最悪のタイミングでエリカ・ラスがブラッジャーを撃ち込む気でいる。
……どうしよう、これではゴールが狙えそうにない。
気づかれるか気づかれないか、ちらりと背後を見た。
右斜め後ろにアンドレが飛んでいる。
入団テストで他人の得点を作るのが良い判断かわからないが……ボールを持っていても医務室送りになるだけだろう。
いちかばちかだ。
チェイサーが突撃してくる直前に、振り返らずにクアッフルを投げる。アンドレがボールを受け取ったかどうかはわからない。
相手チームのチェイサーは2人が目的を見失い、1人はアンドレの方にまわった。彼はテクニカルな飛行が得意だから、どうにかするだろう。
『A、クアッフルをアンドレ・エグウにパス！ さあチェイサーが一人彼を追います、が、アンドレは追跡さえ許さない！！ おっとエリカ・ラス、想定外の動きに対応できない、マダム・ポンフリーが控えていると良いのですが…』
マクナリーが現状を物語る。
そう、すごい勢いでブラッジャーが迫っていた。
避けるにはアンドレの追跡に失敗したチェイサーがいて動けない。
「……あぁ、くそっ！ 」
Aは重心を右に傾けてぐるりと体を反転させた。
束ねた髪が下に垂れて、脳みそに血がまわる。
刹那、音を立ててブラッジャーが飛び去っていった。
あのまま箒に乗っていれば、無傷では済まなかったろう。
緊張と血液の逆流で、耳の奥からどくどくと鼓動が聞こえる。
『Aは見事にブラッジャーを避けました！ そしてアンドレが華麗にゴールを決める！！ 本気のレイブンクロークィディッチチームに対して素晴らしいプレイです！』
「ナイスシュート！ 」
Aは体勢を戻してアンドレに声をかける。
アンドレは軽く片手を上げて応えた。
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あくびさん(プロフ) - かるうらさん» ハリポタ本編で不死鳥の騎士団しか出てこず、映画では出てこなかったあのチャーリーです笑(ホグミスでは主人公と友達になります)他にも「あのチャーリー」で書かれている方もいらっしゃいますので是非笑 (2021年3月8日 7時) (
レス) id: 53deba8a5c (このIDを非表示/違反報告)
かるうら(プロフ) - 何気なく読んだので、4話のドラゴンのくだりで「え!?チャーリーってあのチャーリー!?」とビックリしました。ホグミスをやっていないので、チャーリー落ちが新鮮で楽しみです(すみません、5話までしか読んでいない衝動コメです)。 (2021年3月8日 1時) (レス) id: 9a522098d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくびさん | 作成日時：2021年1月30日 11時
