3.大家族 ページ4
「教科書はホグワーツで使う分だね、ホグワーツに送っておこうか」
「はい、お願いします」
「これから楽しい学生生活になると思うよ。楽しんでおいで」
「ありがとうございます」
お釣りを受け取り、Aはサインを書いた紙を店主に渡した。
今までも色々な勉強をしてきたが、ホグワーツでもどっさり勉強させられるらしい。
将来のことなんて考えたくもないくらいに遠いが、勉強だけで気が遠くなりそうだ。
フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店を出て残りのお金を見る。
残りでフクロウを買って、箒も買いたい。
書店を出ると、ちょうど入ろうとした家族と鉢合わせする。
「あっ…すみません、どうぞ」
「あら、貴女、さっきも会ったわね」
「そうだね、君、一人で来ているのかい？ 」
全員赤毛の、賑やかな雰囲気の家族だ。
赤毛が目を引いたから覚えている。
「えっ、そうですね…母はマグルなので、一人で来たんです」
「そうなのね、お父さんは……いえ、何でもないわ」
母親らしき女性は、何かを言いかけてやめた。
その夫らしい男性が女性を目で窘めている。
大人らしい、大人の無言の気遣いに救われて、Aは静かに胸を撫で下ろした。
「ねぇ、いたずら専門店に行っていい？ 」
「いいよね、行こう！ 」
「ダメよ。……貴女、もしかして今年の新入生？ 」
幼い双子が騒ぐのを押さえつけながら、母親が話を続ける。
末の妹は父親の腕の中でうとうとしている。
「はい、さっき教科書を買ったところで」
「そう！ ウィリアム、チャールズ、いらっしゃい」
彼女は快活に、二人の息子の名前を呼ぶ。
一人はハンサムで、いかにも女ウケが良さそうだ。少し年上だろうか。
もう一人は筋肉質で、何故かケガが多い。
「ウィリアムは3年生になるの。チャールズは貴女と同じ1年生よ」
「そうなんですね、えーと、ミセス…」
「あら、ごめんなさい。私はモリー・ウィーズリーよこっちは夫のアーサー。気軽にモリー、アーサーって呼んでね」
「はい、私はA・カーティスと言います。よろしくお願いします」
戸惑ってアーサーを見ると、彼は優しく笑った。
「息子たちと仲良くしてやってくれ」
日常と真逆の、賑やかな空間がむず痒くて、Aはウィリアムとチャールズに向き合った。
「その……よろしく」
「チャーリーでいいよ。よろしく」
「俺のことはビルって呼んでくれ。よろしく、分からないことがあったら遠慮なく聞いてくれて良いからな」
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あくびさん(プロフ) - かるうらさん» ハリポタ本編で不死鳥の騎士団しか出てこず、映画では出てこなかったあのチャーリーです笑(ホグミスでは主人公と友達になります)他にも「あのチャーリー」で書かれている方もいらっしゃいますので是非笑 (2021年3月8日 7時) (
レス) id: 53deba8a5c (このIDを非表示/違反報告)
かるうら(プロフ) - 何気なく読んだので、4話のドラゴンのくだりで「え!?チャーリーってあのチャーリー!?」とビックリしました。ホグミスをやっていないので、チャーリー落ちが新鮮で楽しみです(すみません、5話までしか読んでいない衝動コメです)。 (2021年3月8日 1時) (レス) id: 9a522098d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくびさん | 作成日時：2021年1月30日 11時
