29.夏休み ページ30
コンコン、と書斎の窓がノックされる。
窓を見ると、チャリティが手紙を持って大人しく窓が開かれるのを待っていた。
Aは変身術の本を机に残して
「おかえりなさい、チャリティ」
広々したふくろう小屋と化した部屋に入って窓を開ける。
チャリティは嬉しそうに部屋を飛び回った。
早くもここを彼の部屋だと認識しはじめているらしい。
「チャリティ……先に手紙を頂戴」
窓を閉めながら半分呆れて言えば、チャリティは大人しく手紙を差し出してきた。
「ありがとう。お腹すいてるかはわからないけど、ヒヨコを用意してあるからね」
チャリティは用意していたヒヨコにまっしぐらに向かっていった。
出会った頃に比べるとしっかりと体重も増えた。
翼を上下させながら皿に向かって駆ける姿はおおよそ猛禽類最強には見えない。
気を取り直して、チャリティが運んでくれた手紙に目を落とした。
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やあ、A
手紙をありがとう。
手紙で教えてもらったようにして無言呪文を練習してみたけど、やっぱり上手くいかないな。
心の中で唱えているつもりなんだけど、インセンディオは火の粉も出てこないよ。
来年こそ呪文の練習に付き合ってもらいたいと思っていたけど、レイブンクローのクィディッチチームの入団テストを受ける予定らしいな。
2人が選ばれるのをすごく楽しみにしてる。でもグリフィンドールとレイブンクローの試合でどっちを応援したら良いかわからなくなるな……きっとどっちのことも応援してるんだろうな。
マグル界の夏休みはどう？
こっちは狭い家に家族がぎゅうぎゅう詰めで毎日が騒がしいくらいだ。うちの双子が君のチャリティにちょっかいを出しているから早く手紙を書き上げて君のふくろうを帰すことにするよ。
返事を楽しみにしてる。
君の友人 ビル
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双子のくだりを読んだところで、反射的にチャリティを見る。
彼は食事を終えて翼をはんでいた。Aの視線に気づくと、止まり木の上の方に飛んでいく。大丈夫そうだ。
「返事、書かなきゃ」
窓を閉めたのを確認して書斎に戻る。
机の上に置きっぱなしにした本の表紙を撫でながら、何を書こう？と考える。
ビルは再来年にはきっと監督生になれるだろう。
そんな彼には到底言えそうにない「いたずら」は隠したままにしておこう。
「とりあえず……サッカーチームの子たちとのことを書けば良いよね」
Aは羽ペンを手に取り、紙を引っ張り出した。
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あくびさん(プロフ) - かるうらさん» ハリポタ本編で不死鳥の騎士団しか出てこず、映画では出てこなかったあのチャーリーです笑(ホグミスでは主人公と友達になります)他にも「あのチャーリー」で書かれている方もいらっしゃいますので是非笑 (2021年3月8日 7時) (
レス) id: 53deba8a5c (このIDを非表示/違反報告)
かるうら(プロフ) - 何気なく読んだので、4話のドラゴンのくだりで「え!?チャーリーってあのチャーリー!?」とビックリしました。ホグミスをやっていないので、チャーリー落ちが新鮮で楽しみです(すみません、5話までしか読んでいない衝動コメです)。 (2021年3月8日 1時) (レス) id: 9a522098d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくびさん | 作成日時：2021年1月30日 11時
