26.特訓 ページ27
「よし！ そんな感じだ！ 」
地面に降り立つと、チャーリーが隣に降り立つ。
授業終わり、城の敷地の訓練場。他に人影はなく、集中して訓練するにはもってこいの場所だ。
少し陽が傾いて、そろそろ皆夕食を取りに行く時間だろうか。
「レイブンクローの並みの選手よりも上手いよ。サッカー？ をやってると慣れが早いね」
レイブンクローはあまりクィディッチに力を入れていない。
だから褒め言葉なのか大したことはないのか、なんとも言えないラインだ。
「実践的なことは入団テストが初めてになるから不安だけどね。練習に付き合ってくれてありがとう、チャーリー」
「こちらこそ、僕も一緒に箒に乗れて良かったよ」
握手を交わして、箒を片付けに向かう。
「アンドレも入団テストを受けるんだろうなぁ。彼って授業で実演をしてるよね？ 」
「アンドレも上手いよね。ジグザグ飛行の実演をしたって聞いたよ」
ため息をつきそうだ。
クィディッチのルールに慣れていないし、クィディッチそのものの経験はゼロだ。
「緊張してる？ 」
「どうかな……サッカーチームの入団テストよりはマシかも。緊張よりも、不安かな？ 」
チャーリーは少し考え込んで笑う。
「よし、一緒に夕食に行こう。少しは気が紛れるはずだよ」
「そうだね、箒にニスを塗ってからね」
.
「不安なことを話してみてよ、全部聞くからさ」
「優しいよね、ありがとう」
大広間の卓に向かい合って座る。
チャーリーのような友人がいるのは貴重なことかもしれない。
「サンドイッチならこれだったよね」
「えっ、言ったことあったっけ」
物思いにふける間に当然のように差し出された皿にAは目を丸くする。
「もうそろそろ一年だからね」
「そっか……そうだね。一年か。サンドイッチ、ありがとう」
チャーリーはチキンのサンドイッチにかぶりつく。一年も経てば、好きなサンドイッチも覚えるものか。
白身魚のサンドイッチを齧りながら、何が不安なのだろう、と考える。
「サッカーとクィディッチは使う体のパーツが違うの」
「そうなの？ 僕が見る限りAは上手いよ」
言葉に詰まるAを気にせずにチャーリーは食事を続ける。
自分より圧倒的に上の人間にそう言われては返す言葉はない。
「オーケー、チャーリーを信じろってことでしょ」
「そういうこと」
チャーリーは満足そうに笑った。
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あくびさん(プロフ) - かるうらさん» ハリポタ本編で不死鳥の騎士団しか出てこず、映画では出てこなかったあのチャーリーです笑(ホグミスでは主人公と友達になります)他にも「あのチャーリー」で書かれている方もいらっしゃいますので是非笑 (2021年3月8日 7時) (
レス) id: 53deba8a5c (このIDを非表示/違反報告)
かるうら(プロフ) - 何気なく読んだので、4話のドラゴンのくだりで「え!?チャーリーってあのチャーリー!?」とビックリしました。ホグミスをやっていないので、チャーリー落ちが新鮮で楽しみです(すみません、5話までしか読んでいない衝動コメです)。 (2021年3月8日 1時) (レス) id: 9a522098d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくびさん | 作成日時：2021年1月30日 11時
