21.闇の魔術に関する防衛術 ページ22
「知ってる？ 闇の魔術に関する防衛術の先生は一年しか持たないのよ」
「一年生の早々に嫌な話しないでよ……どうして？ 他の科目はそんなことないんだよね」
闇の魔術に関する防衛術の授業中、チューリップがコソコソと話しかけてくる。
チューリップが何か言おうと口を開いたが、教室に響いていた講義の声がピタッと止まる。
チューリップと一緒に違和感に気づいて顔を上げると、先生がこちらを見ていた。
「質問かな？ 」
「いえ、大丈夫です、先生！ 完璧です」
Aは慌てて返答した。チューリップはノートを書くフリをしてメモに文字を記している。
『"例のあの人"の呪いなの』
メモがスッと差し出される。
『呪い？ 何のために？ 』
『詳しくは知らない。ダンブルドア先生なら知ってるんじゃない？ 』
よくわからないが、目の前のこの先生との付き合いは今年だけらしい。ならば頑張ってこの先生の名前を覚えるのはやめてしまおう。
「何よ、闇の魔術に関する防衛術って。私は闇の魔術の方が学びたいわ」
彼女の一言に教室の空気が固まる。隣でチューリップが片眉を上げた。チューリップは彼女が気になるらしい。
メルーラ・スナイドだ。スリザリンの中でも「ヤバい」魔女なのは知っていたが、これほどと誰が予想できただろうか？
しかしそれがチューリップには面白いらしい。あとは、呪われた部屋絡みで彼女に関心を持っているのだろうか。
「……先生、闇の魔術と呼んでいますが、その全てが『悪』に結びついているわけではないというのは本当ですか」
空気に負けて、それと、一年しかここにいない先生が気の毒になってAは手を挙げた。
「あ……ああ、闇の魔術とは許されざる呪文から闇の生物の飼育まで、幅広く存在する。本講義は、特に許されざる呪文を始めとしたものから、自らを守るための授業だ」
「そうなんですね。闇の魔術を教える学校はあるのでしょうか」
「そうだな、ダームストラング専門学校は闇の魔術を教えていることで有名だ」
Aはへぇー、と言うと肩越しにメルーラを見た。
「良いニュースね、メルーラ」
そう微笑むと、レイブンクローらしく真面目に、とっくに知っている話を聞くことにした。
「カーティス、良い質問だった。レイブンクローに10点」
「ありがとうございます」
『ダームストラングに転入ってできるのかな？ 』
メモが差し出される。チューリップは無邪気だ。
『あなたには向かないよ』
そう書いて戻した。
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あくびさん(プロフ) - かるうらさん» ハリポタ本編で不死鳥の騎士団しか出てこず、映画では出てこなかったあのチャーリーです笑(ホグミスでは主人公と友達になります)他にも「あのチャーリー」で書かれている方もいらっしゃいますので是非笑 (2021年3月8日 7時) (
レス) id: 53deba8a5c (このIDを非表示/違反報告)
かるうら(プロフ) - 何気なく読んだので、4話のドラゴンのくだりで「え!?チャーリーってあのチャーリー!?」とビックリしました。ホグミスをやっていないので、チャーリー落ちが新鮮で楽しみです(すみません、5話までしか読んでいない衝動コメです)。 (2021年3月8日 1時) (レス) id: 9a522098d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくびさん | 作成日時：2021年1月30日 11時
