【ポケモン剣盾】黎明のポケモントレーナー (ページ27)

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1.事情説明ページ27

ポケモン研究所のドアを開ける。
マグノリア博士の好みらしい、整然と整えられた空間だ。
「こんにちは」
そう声をかけると、少年が顔を覗かせる。
「あ！ A」
「ん……あー、A…おつかれー……」
ソニアが机に突っ伏している。
そういえば、誰かのアポを取ると言っていたから、研究の最中なのだろう。
「お疲れ様……ホップくん借りても良いかな、私のこと説明するって言ってそのままだったからさ」
「え、オレ？」
少年は親を沸かしながら、こちらをみて目を丸くしている。

「うん……私も休憩にしよー…」
ソニアが立ち上がろうとするのを、慌てて支える。
「ちょっとソニア、座ってなよ。焼き菓子買ってきたから、ね？」
「そうだぞ、ほら、今紅茶淹れてるから」
「はーい、ありがとー……」
そう言ってまたソニアは机に突っ伏し、寸暇の眠りに落ちた。
「ソニア、急ぎの論文があるの？」
「ううん、ただ、今調べてることが進みそうだからって、最近ずっとそんな調子なんだぞ」
「なるほどね……」

博士として成功するのは良いことだ。
だが、熱中するあまり体を壊しては意味がない。
「もうちょっと自分を大切にしておいて欲しいね、ソニアには」
ホップが紅茶を注いでくれる。彼は残りの入った紅茶のポットに覆いをした。
ソニアは寝かせておくつもりらしい。

「Aってリーグスタッフだったのか？」
「うん、ユウリちゃんには近いうちに挨拶に行く予定なんだけどね。私は、バトルの時に観客をポケモンのわざから守る、専門のリーグスタッフなの」
ホップが目を丸くする。
そんなものがあったのか、という驚きだろう。
とはいえ、これで遠慮されてしまっては困る。

「ホップくんは、ダンデくんがジムチャレンジしてた時のトーナメントも見てるよね」
「ああ、勿論だぞ！」
「オッケー、まあわからなくても無理ないかなぁ……」
Aは自分のスマホロトムを操作して、試合の映像を流した。
キバナから貰った、ダンデとAの試合だ。
お互いに最後の一匹、リザードンとユンゲラーを出す。
「これ、私」
「えっ、本当だ！全然気づかなかったぞ……」
「この時は髪短かったもんね……だから、今後バトルすることがあっても私には気を遣わないで大丈夫。ダンデくん相手にいいとこまで行ったんだから」

少年は目を輝かせている。
こういうのを目の当たりにすると、やはりむず痒く感じた。