1.恒例 ページ4
「Aだ！ 」
女の子の、高い声が聞こえる。
振り返ると父親の腕に抱かれた赤毛の女の子が、こちらに手を振っている。その姿に胸がきゅうんとする。
Aはホグワーツに向かう我が子との挨拶をする家族を掻き分けて、彼らの元に向かった。
「こんにちは、アーサー。こんにちは、ジニー。覚えていてくれて嬉しいよ」
当然のように赤毛の家族と合流して、ジニーの頭を撫でた。
「まぁ、こんにちは、A！ ウィリアムとチャールズと仲良くしてくれてありがとう」
「いえ、私の方が助けられていて……私たち更衣室に閉じ込められた時の話はしたの？ 」
「してないよ」
チャーリーは首を横に振った。ビルは呪い破りとしての「活躍」がモリーに知られるのが怖いのか、そっぽを向いている。
「じゃあ是非クリスマスの時に、今年はちょっと家がバタついてるので、お邪魔させていただいても？ 」
夏休みの間、ビルやチャーリーとふくろうでやり取りしていたのだ。母のこととA自身のことで落ち着かないので、後見人の邪魔にならないように家に帰るのは控えようという考えだ。
「ええ！ 是非！ 楽しみにしているわ」
「ふくろうは！？ 」
すかさずフレッドが聞いてくる。ジョージは興味津々という様子で鳥籠を見ていた。
「チャリティも連れていこうかな」
「わぁ、最高のクリスマスになりそうだ」
パーシーが双子の弟たちを呆れ顔で見ている。
パーシーの上にいる兄二人も優秀だが、パーシーは特に生真面目な気がする。
「パース」
Aは彼を愛称で呼んだ。
「皆にプレゼントを持ってくるから……そのネズミは？ 」
「スキャバーズ。プレゼントに貰ったんだ」
「……そう、素敵な友達だね」
パースのネズミに違和感を感じる。
見た目はただのドブネズミなのだが、何か見聞きしているような気がした。
今度は駆け込まないで済むように、まだ出発までに少し時間があるのを確認してもう一人に声をかける。
「ハイ、ロン。貴方は欲しいものある？ 」
「蛙チョコレート！ カードを集めてるんだ！ 」
声をかけられた彼は嬉しそうに笑う。
蛙チョコレート……苦手だが買って行こう。
「A、また走ることになるぞ」
「あ、うん！ それじゃあ、またクリスマスに！ 」
ビルに声をかけられて、今年はゆとりを持ってホグワーツ特急に乗り込んだ。
続く
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あくびさん(プロフ) - ringoさん» 大変お待たせしました…！コメントありがとうございます！ (2023年1月18日 17時) (
レス) id: 53deba8a5c (このIDを非表示/違反報告)
ringo(プロフ) - 久しぶりでワクワクしています。楽しみにしています! (2023年1月18日 16時) (レス) id: cada4a4ce1 (このIDを非表示/違反報告)
あくびさん(プロフ) - 余白のむらさん» コメントありがとうございます！私のアプリに追いつきそうになっているので執筆とアプリゲーム両方頑張りますね…！ (2023年1月18日 16時) (レス) id: 53deba8a5c (このIDを非表示/違反報告)
余白のむら(プロフ) - このお話すごく好きです。続き待ってます (2022年11月23日 10時) (レス) @page3 id: 3edb9aa810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくびさん | 作成日時：2021年2月12日 0時
