【ポケモン剣盾】日陰のポケモントレーナー (ページ43)

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42.召集ページ43

「その……言ってなくてごめんね」
レストランで二対一の状態で向き合う。勿論、一の方がAだ。
仕事が終わったところに、ちょっと話を聞かせてもらうわよ、とルリナに捕まってタクシーに詰め込まれ…連れてこられたのはキルクスタウン。

「本当に！驚いたのよ。トレーナーとしか聞いてなかったのに、Aがいるんだから」
「私にも教えてくれないんだもん。そんなリーグスタッフがいたなんて全然気づかなかったなぁ」
キルクスタウンの有名なレストランを聞いたら100人中90人は同じ店名を言うんじゃないだろうか。
厨房の方から肉の焼ける良い匂いがする。

「本当に、秘密にしてた悪かったと思ってる…」
「思ってるから～？」
ソニアがニヤニヤとしながら言う。隣のルリナも…いつのこうすると決めたんだろう。
「思ってる…から…」
「から～？」
今日はしょじきんが多めで良かった。本当に心の底からそう思う。
「今日は…御馳走させていただきます…」
「やった！」
「悪いわね！」
そんなことを言いながら2人はハイタッチをした。

.

「まさかダンデくんにも言ってなかったなんてね。まぁダンテくんのことだからバトルに夢中になってAに気づいてなかったんだろうけど」
ソニアが肉厚なステーキを切りながら言う。
友人たちは手加減を知らないらしい。

「余計な心配させちゃうかなと思って。でも大丈夫、私に任せてもらえるようにしようって思ったから」
「メロンさんたちは気づいてたみたいよね。Aの前任がいたからなんだろうけど…で、あの様子だとキバナは知ってたのよね」
「待って！それ知らない！そうなの！？あっ、あの時、ほら、ルリナが私に変なこと頼んできた時！あの時もうバレてたってこと！？私たちより先に！？」

そうだ、ソニアは頭が良いんだった。
一気にまくしたてられてAは苦笑した。
「実はそうで…ほら、ポケモンのわざに生身でぶつかるような馬鹿みたいな仕事あるなんて誰も思わないでしょ？それで変に興味引いちゃった、みたいな」
「そういうことだったのね…何かあったのかと思ってドキドキしたわ…」
『何か』が始まっているような気がする、というのは口に入れた野菜と一緒に飲み込んだ。
流石に情報過多になりそうだ。

「ふーん…私たちも教えてもらえなかったのになぁ～？」
「あら、デザートメニューがあるのね」
2人は入店して席に座った時と同じ顔をしている。
「…好きなの頼んで良いよ」
Aは仕方がないなぁ、と笑った。