【ポケモン剣盾】日陰のポケモントレーナー (ページ3)

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2.お仕事ページ3

シュートスタジアムに、アーマーガアで乗り付ける。
「ありがとう、アーマーガア！しばらく休んでてね」
今日も元気な彼女をボールに戻して、鞄から片耳だけのヘッドセットを取り出す。

せかせかと歩きながら髪をまとめた。
「ごめんなさい、遅くなりました。時間はまだですよね」
「ああ、Aさん、お疲れ様です」
毎年顔を合わせるジムトレーナーの女性が、微笑みながら資料を渡してくれる。
以前のバトルから推測されるチャレンジャーの手持ちポケモン、恐らくの技……もちろんこんなデータはチャンピオンやジムリーダーには伝えられない。これを見て対策しないといけない人間だけの資料だ。

「今年はチャレンジャーはそんなにヤバくなさそうですね」
彼女は確かスタジアムの後片付けを担当していたはず……毎度毎度スタジアムを水浸しにされたり焼き尽くされては堪らないのだろう。その点は全く、Aの同志だ。
「本当に……でもダンデくんだからなぁ……」
今日も仕事終わりにはファンデーションは溶けそうだ。Aは大きくため息をついた。

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『ガラル地方の現チャンピオン、ポケモンバトルの公式戦において無敗の実力を持つこの男！その人柄も相まって絶大な人気を誇り、名実ともに、ガラル地方“最強”のポケモントレーナーだ！チャンピオン・ダンデ！今日もアツくキメてくれるのか！？』

沸く会場。唸る空気。
それをまさか真上から眺めることになろうとは、数年前は予想もしていなかった。
ヘッドセットを調節して、ポケモンたちに指示を出す。
「しばらくは特殊メインかなぁ……カイリキー、サーナイト、ひかりのかべで備えて！ソーナンス、ミラーコート！アーマーガアとルカリオはすぐに動けるように待機してて！」

空はひどく寒いが、万が一チャレンジャーがダンデを追い詰めたらすぐに灼熱地獄になる。そんなことは滅多にないのだが。
「フライゴン、もう少し高度を下げてすぐ行けるようにしよっか」
「フラアァ」

眼下で狙いを外したシャドーボールが、無色透明の壁にかき消される。
「良いよサーナイト！ありがとう」
途端、背後から、上空から低い唸り声がする。
「っ！フライゴン、高度下げて！まもる！」
10まんボルトはフライゴンには効かない。が、こんなものを身に受けたらトレーナーはひとたまりもない。

巨大な光の塊か迫る。ぶつかる。
……もうすぐやめてやる、こんな仕事！