【ポケモン剣盾】日陰のポケモントレーナー (ページ14)

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13.好戦的にページ14

「はぁ～～～～っ」
キバナは盛大にため息をついて頭を抱える。
やってしまった。よもやあそこまで拒絶されるとは、SNSでもあんなに冷たくあしらわれることはないのに。

再会してからAを強張らせてばかりいる。
かつての彼女の。闘志を秘めた、だが酷く冷静で最短距離を導き出す瞳が、ここ数日の、ただ強張った高い壁を向けるAの姿と重なって霧散していく。

スマホロトムの画面には、「ごめんなさい、うまくかわされちゃったわ」と文字が表示されている。
ジムチャレンジの同期同士、そして女同士、連絡は取っているようだが、ルリナはこういうことは苦手らしい。
「カモン、フライゴン」
ボールから出てきたキバナのフライゴンはAのフライゴンよりも一回り大きい。
「最高だな、お前は」
フライゴンの頬に手を伸ばし、そのまま頭を撫でてやる。

あの頃のAの手持ちにフライゴンはいなかったはずだ。だからフライゴンを見た時に彼女とわからないでいた。
まだ幼そうだから、恐らく最近手持ちに加えたのだろう。それなのに、強いと思わせる綺麗な個体だった。
「……『あいつ』はどこに行ったんだ？」

てっきり手持ちのポケモンを全て解体して一から組み直してしまったのかと思ったが、彼女はあのアーマーガアを連れていた。
……アーマーガアを見たとき、ダンデと負けず劣らず、キバナの前にいた背中を思い出して嬉しかったのは言わない方が良いだろう。また突っぱねられてしまいそうだ。

失敗したなぁ、と思いながらフライゴンを撫で回していると、スマホロトムがすぃーっと目の前に現れる。
『メッセージが来てるロト～！』
ルリナか？と思いながら操作して、表示された名前に目を丸くする。

Aこんばんは、Aです。
Aルリナから連絡先が送られてきたので、メッセージを送りました。
A今日は、すみませんでした。それでは、おやすみなさい。

一方的なメッセージで、返信させる隙もなく切り上げられている。だが、今日中に連絡が来た。

日が沈んだ黒に、少女の姿が浮かぶ。
ルカリオ、サーナイト、アーマーガアと、それから……。

「ポケモンバトル"なんて"、なぁ……下手な嘘はつくもんじゃないぜ」
返信のメッセージを送って、キバナは笑みを浮かべた。